利用が拡大するパブリッククラウド、利用意向の高いプライベートクラウド:ITmedia リサーチインタラクティブ 第9回調査(3/3 ページ)
ITmediaとITRは、クラウドコンピューティングに関する読者調査を実施した。1年前に比べてパブリッククラウドの利用が広がり、プライベートクラウドの利用意向が半数近くに上るなど、全体的にクラウドコンピューティングの利用に前向きな企業が増えている実態が明らかになった。
両者に共通する用途
パブリッククラウドの利用状況で、「現在利用している」「利用するべく現在評価中」「利用することを検討している」と回答した企業に対し、利用用途を尋ねた結果が図5である。前回調査と同様に、「電子メール」「情報共有・ポータル」「スケジュール共有」「営業支援」「ファイル保管・データ共有」「サーバ利用」が上位を占めた。「電子メール」および「スケジュール共有」は、前回よりも割合が大幅に拡大した。特にコミュニケーション/コラボレーション・システム(グループウェア)のパブリック・クラウド利用を考えている企業が、この1年で急激に増加した。なお、前回調査で利用意向が高かった「システム開発」「R&D関係」は大きく低下した。
プライベートクラウドの利用状況で、「現在利用している」「利用するべく現在評価中」「利用することを検討している」と回答した企業に対し、利用用途を尋ねた結果が図6である。パブリッククラウドの利用用途の回答とは異なり、「サーバ利用」が最多だった。しかし、全体の傾向としては「情報共有・ポータル」「ファイル保管・データ共有」「電子メール」「スケジュール共有」「営業支援」が上位であり、パブリッククラウドと同様の結果を見せた。
プライベートクラウドは、オンプレミスの単体サーバを集約したものであるため、基幹系システムにも十分に適用できるものではあるが、プライベートクラウドに対する基幹系システムの利用意向は小さい。ここから、プライベートクラウドの価値が十分に理解されていないとも言えそうだ。
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