ITの可能性を追求し続けるMicrosoft、次世代製品の数々:Microsoft WPC2011 Report(2/2 ページ)
開催中の米Microsoftのパートナー向け年次イベントでは、同社が今後リリースする予定のソフトウェア新製品の動向が次々と披露された。
企業と消費者を区別しない
Windows Phone部門のプレジデント、アンディ・リース氏は、最近のモバイルデバイスの動向を簡単に整理し、「SoC(System on Chip)といった高集積な半導体の出現で、PCの全ての機能を携帯電話のサイズに詰め込めるようになった」、「クラウドが今後のシナリオを決めていく」、「ITのコンシューマライゼーションが進む」「PC、テレビ、電話/携帯電話やその他のデバイスのエコシステムが統合されていく」といった見通しを語った。
近く登場が期待されるWindows Phone 7の次期バージョン“Mango”は、デモを交えた製品紹介が行われたが、そこで語られたコンセプトは、「企業向けと消費者向けを区別しない」という発想であった。一般消費者にとって魅力的なデバイスでないと、今後は企業向けとしても普及するのは難しいという。また、ユーザーインタフェースに関しては、“ピープル・セントリック”というコンセプトが打ち出されている。これはコミュニケーションデバイスであることからも自然な流れだろう。
Windows Phoneのアプリケーションのデモでは、手元で飛行機の予約状況を確認して、機内の3D画像を表示させて好みの座席を選択し、さらに2次元バーコード付きのボーディングパス画面を表示する――全ての作業をまとめて処理できるアプリケーションの例などが紹介された。またAndroidやiPhoneなど、既に市場にある各種のスマートフォンを並べ、Internet Explorerでおなじみとなった熱帯魚の画像を表示させてのパフォーマンス比較のベンチマークではMango端末が最高性能を達成していることを披露した。なお、端末に関しては、Samsung、LG、HTC、Nokiaという顔ぶれに加えて、Acer、富士通、ZTEからも端末が発売になると紹介された。富士通製端末の発売は今年秋だという。
さまざまなソフトウェアを継続的に改良・機能拡張の努力を続けていくのはソフトウェア企業としては当然のことと言えるが、特定分野に特化した戦略を採る企業が増えている中、これだけ広い範囲で技術開発を継続している企業は少なくなりつつある。その点で、Microsoftがまだまだこれだけの“次”を用意しているのは、ユーザーにとってもパートナーにとっても安心材料と言えるのではないだろうか。
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