WikiLeaksが米情報機関の社内メール公表 12月に流出の情報か
告発サイトのWikiLeaksが、米民間情報機関Stratforの電子メールを入手して公表した。2011年12月の不正アクセスで流出した情報がWikiLeaksに渡ったとみられる。
告発サイトのWikiLeaksは2月27日、各国の大手企業や政府機関向けに情報を提供している米民間情報機関Stratforが顧客などと交わした電子メール500万通あまりを入手し、公表を開始したと発表した。Stratforでは2011年12月に情報流出が発覚しており、この情報がWikiLeaksに渡ったとみられる。
WikiLeaksによると、Stratforのメールは2004年7月から2011年12月にかけてやり取りされたもので、Lockheed Martinなどの大手企業や米国土安全保障省、米海兵隊といった政府機関や軍などに情報を提供していたStratforの内情がうかがえるとしている。
例えばStratforのジョージ・フリードマン最高経営責任者(CEO)は同社のアナリストにあてたメールで、べネズエラのチャベス大統領の健康状態に関する情報提供者を操る方法について、「相手をコントロールすることだ。コントロールとは金銭的、性的、精神的支配を意味する」などと指南していたとされる。
このほか同社への情報提供者の一覧とその提供者に支払った報酬の記録、支払金洗浄の手段なども明らかになったとしている。
WikiLeaksでは、今回公表したStratforの情報をどこから入手したのかは明らかにしていない。しかし2011年12月にハッカー集団Anonymousの名で、Stratforの情報を入手したとする声明が出され、Stratforも不正アクセスを受けて顧客の情報などが流出したことを認めていた。
当時Anonymousの名で公開された顧客リストには世界各国の政府機関や企業名が並び、日本の大手電機メーカーや金融機関の社名も含まれていた。
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