沖縄県およびIT産業人材確保支援コンソーシアムは2月1日、2日の日程でIT関連企業や学生などに向けた展示会「IT津梁まつり2013」を宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開催した。初日のオープニング挨拶には、沖縄県副知事の与世田兼稔氏などが登壇し、沖縄のIT産業発展の可能性などを語った。
同イベントは、前年まで併催していた「ITまつり」および「IT見本市」を統合。今回はIT産業人材確保支援事業として沖縄県内のIT産業への雇用促進を主目的にする。同イベントの副実行委員長である豊永修氏は「デジタルネイティブ世代と呼ばれる若者たちは、当たり前のようにインターネットやスマートフォンなどを使いこなしている。しかし、いざ就職となるとITの仕事が遠い存在になってしまう。このイベントをきっかけにITと職業との橋渡しをしていきたい」と力を込める。沖縄県情報産業協会会長の仲里朝勝氏も「ITの仕事は3Kなどと言われているが、ITに限らず仕事はきついものであり、だからこそ楽しいのだ。今後ITがどう発展していくかを、この場を通じて若い人たちに楽しんでもらいたい」と話す。
ITは沖縄において観光産業に次ぐリーディング産業と位置付けられており、関係者の鼻息も荒い。2012年10月に公表された「沖縄21世紀ビジョン実施計画」において、沖縄県は10年後の目標として、IT関連企業数790社、雇用者数5万5000人、総生産額5800億円を掲げる。IT産業の活性化に向けた具体的な取り組みとして、「アジアIT研修センターやクラウドデータセンター、モバイル機器検証施設の整備などを行うとともに、IT人材育成やクラウドサービスなどに力を入れる企業を支援していく」と与世田氏は、療養中のため欠席となった仲井眞弘多知事のメッセージを代読した。
同イベントの実行委員長である高橋庸正氏は、「IT業界では新しいサービスが次々と生まれている。ITを基幹産業に据える沖縄は、単に仕事の場を提供するだけにとどまらず、沖縄発の商品やサービスを世界に打ち出していきたい」と意気込んだ。
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