Excelで業務部門もビッグデータ分析が可能に マイクロソフト
SQL Serverを基盤にしたビッグデータソリューションを日本マイクロソフトが発表。Hadoopとの連携や、ExcelやWebブラウザを使った分析機能を強調した。
日本マイクロソフトは3月21日、記者およびアナリストに向けてビッグデータ戦略に関する説明会を開催した。新製品を含めたデータ高速処理アプライアンスを基盤に、顧客企業のビッグデータ活用を支援していく。
主にマイクロソフトが提供するのは、大企業向けリレーショナルデータベース管理システム「SQL Server Enterprise」と、フラッシュメモリストレージ(SSD)を利用したハイエンドサーバを組み合わせたアプライアンス製品「SQL Server SSD Appliance」、データウェアハウス(DWH)ソリューション「SQL Server Fast Track Data Warehouse」、そして2013年5月に提供開始予定の大規模DWH製品「SQL Server 2012 Parallel Data Warehouse(PDW)」の3つ。
新製品となるPDWは、Hadoopとの連携によって非構造化データおよび構造化データを一元化した処理が可能であるほか、スケールアウト構成によって15テラバイトから1.2ペタバイトまでの大規模データを扱うことができる。さらに「3カ月に1度の頻度でアプライアンスの機能をアップデートするため、近い将来には10ペタバイトまで対応するようになる」と、同社 サーバプラットフォームビジネス本部 アプリケーション プラットフォーム製品部 部長の斎藤泰行氏は説明する。
加えて、これらのデータは超高速並列処理(MPP:Massively Parallel Processor)によって分析がなされるほか、分散ファイルシステム「HDFS(Hadoop Distributed File System)」上のデータをExcelやWebブラウザから活用できる。特に後者はビッグデータ活用のハードルを下げるため、分析の専門家ではない業務部門のスタッフでも容易にデータ分析が可能となる。
同社 エンタープライズ ソリューション営業本部 本部長の藤井一弘氏は「多くの企業ではビッグデータへの関心は高いものの、データ分析できる人材の育成に課題があった。マイクロソフトのソリューションは、まさに全社員が“データサイエンティスト”となって、ビジネス成長を支えるためのビッグデータ活用を可能にするものだ」と意気込んだ。
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