米国民の56%がNSAによるテロ対策のための通話記録収集を容認──Pew Research Center調べ
米連邦政府による極秘個人情報収集プログラムが元CIA職員のリークによって明るみに出たが、米国民の過半は個人のプライバシーを犠牲にしても国家安全のための調査は必要だと考えていることが、Pew Research CenterとWashington Postの共同調査で明らかになった。
米国民の56%は、テロ対策のための米国家安全保障局(NSA)による数百万人の米国民の通話記録追跡プログラムは容認できると答えた──。米非営利調査機関Pew Research Centerは6月10日(現地時間)、米Washington Postと共同で行った意識調査の結果を発表した。
この調査は、NSAが極秘の裁判所命令の下に、米通信大手のVerizonの数百万人分の顧客の通話記録を収集していると英Guardianが報じた直後の6月6日〜9日に、無作為に選んだ1004人の18歳以上の米国民を対象に行った電話インタビューに基づく。
テロ対策のために、政府当局が全国民のメールを監視できるようにするべきかという質問に対しては、45%がイエスと、52%がノーと答えた。2002年7月に実施した同じ質問では、45%がイエス、47%がノーだった。全米に衝撃を与えたいわゆる9.11同時多発テロが起きたのは2001年9月11日。
連邦政府にとって、テロの脅威の調査と国民のプライバシーの尊重の、どちらがより重要かという質問では、62%が調査が重要と答えた。Washington PostとABCが2006年1月と2010年11月に行った同様の調査と今回の調査で、テロ対策を重視する回答の比率はほとんど変わっていない。
バラク・オバマ米大統領は7日、連邦政府による情報収集に関する一連の報道について、情報収集は合法的なものであると説明し、「100%の安全と100%のプライバシーの両立は難しいことを理解する必要があり、社会としての選択をしなければならない」と語った。
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