シトリックス、クラウド基盤ソフトウェア最新版などを発表
Citrix CloudPlatformおよびCitrix CloudPortal Business Managerの最新版をシトリックスが発表した。
シトリックス・システムズ・ジャパンは10月3日、オープンソースのIaaS基盤ソフトウェア「Apache CloudStack」をベースに開発された商用のクラウド基盤ソフトウェア「Citrix CloudPlatform 4.2」と、クラウドサービス管理ソフトウェア「Citrix CloudPortal Business Manager 2.1」の提供を開始した。
CloudPlatformは、多様なワークロードを実行するためのクラウド基盤。企業向けアプリケーションが求める信頼性のあるスケールアップ型の基盤と、クラウド向きのアプリケーションが求めるコスト効率に優れたスケールアウト型の基盤を提供する。最新版では、前バージョンに70種類以上の機能追加ならびに機能改善を施した。例えば、グループ単位でのリソース占有利用やVMwareとの連携強化、Cisco VNMC経由でクラウドファイアウォール「Cisco ASA 1000V」やスイッチ「Cisco Nexus 1000V」に対応するといったネットワーク連携強化などを実現する。
加えて、クラウド事業者に向けた強化点として、複数のゾーンを管理し、異なる地域に複数のリージョンを構成することで、ディザスタリカバリーを可能にしたほか、特定リージョンまたは複数ゾーンにオブジェクトストレージを提供し、ワークロードの可用性と運用効率の向上、管理の簡素化を実現した。さらには、Amazon Web Services EC2/S3 APIを利用した開発資産を活用できるようになった。
CloudPortal Business Managerは、クラウド構築者向けの管理サービス。クラウド実行のさざまな側面(コマース、ユーザー管理、サービスプロビジョニング、運用など)を統一して管理できるようになる。最新版では、ユーザーインタフェース、ワークフロー、課金レポート、eメールフォームなどを自由にカスタマイズできるSDK(ソフトウェア開発キット)や、外部システムからCloudPortal Business Managerで管理するユーザー情報、使用状況、価格情報などのデータを抽出し、内外部の業務システムに統合したり、ビジネスルールのカスタム要件を組み込んだりするBSS(ビジネス支援システム)/OSS(運用支援システム)APIなどを提供する。
同日開かれた記者説明会で、シトリックス クラウド ネットワーキング ソリューション事業部長兼パートナービジネス担当の鈴木和典氏は、事業拡大に向けてOEMを含めたパートナーエコシステムの強化が不可欠だと強調。10月1日から富士通が販売パートナーに加わるなど、さらなる販売チャネルの拡充を図るという。
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クラウド管理ソフトウェアの「Citrix CloudPlatform」「CloudPortal」の最新版や、「Citrix Cloud Advisorプログラム」を提供する。
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