2012年の国内ハイエンドサーバ市場、5年前の約6割に縮小 IDC調査
IDC Japanによると、2012年のハイエンドサーバ市場規模は1559億円で、2007年の63.4%にまで縮小した。ベンダー別では安定したメインフレーム出荷が奏功し、IBMがトップシェアとなった。
IT調査会社のIDC Japanは10月31日、2012年の国内サーバ市場におけるサーバクラス別動向と、ハイエンドサーバ市場におけるベンダー競合分析結果を発表した。これによると、2012年のハイエンドサーバ市場規模は1559億円で、2007年の市場規模の63.4%にまで縮小している。製品別(出荷額)構成比は、メインフレームが64.5%、RISC&IA64サーバが28.3%、その他(x86サーバとビジネスサーバ)が7.2%という結果になった。
ハイエンドサーバ市場は、価格帯が「2500万円以上」のサーバ製品を対象としており、メインフレームとRISC&IA64サーバの動向の影響を大きく受ける市場。そのため、ベンダー別シェアではIBMが1位で、2010年以降、IBMのメインフレームは比較的安定した出荷実績を残している。
2位は日立製作所。メインフレームの大型案件に加え、HPC専用RISCサーバの大型案件が貢献した。3位の富士通は、大型案件があったメインフレームは好調だったものの、RISCサーバが振るわなかった。4位はHPで、メインフレームを持たないHPはIA64サーバとビジネスサーバがハイエンドサーバ市場での主要製品となった。
IDC Japanでは「今後、ビックデータ、モバイル、クラウドなどの成長市場に適合した製品やソリューションの強化により、ワークロードを増加させ、サーバの出荷額減少を抑える施策が重要になる」(同社サーバーリサーチマネージャー、都築裕之氏)としている。
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