モバイル+クラウドでビジネスはどう変わる? 先進企業が事例披露:IBM Impact 2014 Report(3/3 ページ)
約9000人が出席する「IBM Impact 2014」が開幕。モバイルや同社が2月に発表したβ版PaaSの「IBM BlueMix」を利用して新ビジネスに挑戦する企業の取り組みが紹介された。
全てのユーザーにクラウドの“玄関”を提供
IBM Impact 2014初日は、モバイルとクラウドを活用する新ビジネスへの挑戦が一大テーマとなった。IBMはBlueMixをはじめとするクラウドサービスその中核に位置付けるようだ。この日に発表された新施策もクラウドサービスが中心となっている。
その1つが「IBM Cloud marketplace」の刷新だ。新たなマーケットプレースではSoftLayerのIaaSやBlueMixのPaaS、100種類以上のSaaSが統合され、「業務部門のリーダー(LOB)」「IT部門」「開発者」という3つの立場のユーザーが必要なサービスの大半をワンストップで調達できる仕組みを提供する。試用や決済も全て行えるようにするという。
ルブラン氏は、IBM Cloud marketplaceではエンタープライズクラスのセキュリティを担保しつつ、各ユーザーに対してIBMとパートナー企業、そして、ユーザー企業が開発したクラウドソリューションを提供することにより、アプリケーションの能力を存分に引き出せる価値を実現できる点が最大の特徴だと述べた。
IBM Cloud marketplaceでは特に、パートナー企業のソリューションが主役になるというのがIBMの考えだ。既に200以上のパートナーソリューションがマーケットプレースに登録されているが、同社はさらなる参加を呼び掛けている。
また、BlueMixでは30種類以上の新サービスおよび機能強化が明らかにされた。そのコンセプトは(1)アプリケーションと機密性の高いデータをクラウド上で安全に統合できること、(2)モノのインターネットやM2Mにおけるデータやクエリの可視性を高めてクラウド上へ安全かつ高速に接続すること、(3)企業の競争力アップに必要なビッグデータ活用に向けてデータおよび分析サービスに最適な設計と拡張を提供すること、(4)開発のライフサイクルを網羅したDevOpsを提供すること――の4点である。
MobileFirst担当ゼネラルマネージャーのマリー・ウィーク氏は、企業がモバイルで成功するために、モバイルトランザクションを受け入れ、アプリケーションを2〜6週間のサイクルでリリースし、データ駆動型のアプローチを採用していかなければならないと語る。
例えば、BlueMixに追加される「Mobile Quality Assurance」という機能は、モバイルアプリの使い勝手や品質などに対するユーザーのフィードバックを分析して、その場で開発者がコードを修正し、再リリースするといったDevOpsが簡単に実現するという。
またIBMは同日、モバイルとクラウドを活用したアプリケーションの普及に向けて以下の製品群も発表した。
- IBM MobileFirst Application Development portfolio……より高度なアプリケーションの導入とライフサイクル管理のためのWorklightプラットフォーム、モバイルアプリの迅速なサービス拡張や高度化のためのBlueMixによるモバイルクラウドサービス、モバイルアプリに対応したCloudantのデータベースサービスなど
- IBM MobileFirst Business Acceleration portfolio……多種多様なバックエンドシステムと連携するためのAPI群、テンプレートベースによる迅速かつ容易なアプリ開発、マルチデバイス展開を支援する「IBM Ready Apps」を業界別に提供。金融や公共、小売、通信など8業種向けのリリース済み
- IBM MobileFirst studios……従来型の業務アプリケーションのモバイル対応など、新たなアプリケーションを開発、展開していくために必要な支援を提供
アプリにフィードバック機能を追加すれば、例えばユーザーは「この部分のタップの反応が遅い」といったメッセージを手書き入力して開発者に通知でき、開発者はその情報でアプリケーションをすぐに改修することができる
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