最もナイスガイなCISOは誰だ?:CISO協会が「CISO 10 Award 2014」を実施
「CISO(Chief Information Security Officer:シソ)」の認知/地位向上を目指して、さまざまなCISOを表彰する「CISO 10 Award 2014」が開催される。
「CISO(Chief Information Security Officer:シソ)」という言葉をご存じだろうか?
CISOとは“企業内で情報セキュリティを統括する最高責任者”で、ITのセキュリティだけでなく、情報漏えいなどにも責任を持つことが多い役職だ。現状多くの企業では、そもそも設置されていなかったり、「CIO(Chief Information Officer)」が兼任する場合も多い。しかし、昨今のベネッセ事件など個人情報の漏えい事件が多発していることから、導入企業が増えてきている。
そんなまだまだ知名度の低いCISOだが、その啓蒙・育成を目指す日本CISO協会が、今年最も貢献度が高かったCISOをたたえる「CISO 10 Award 2014」を開催すると発表した。2014年8月末まで自薦/他薦を募集し、10月初旬に結果発表される予定。
最も資質の高いCISOを3名を選出するほか、広報・教育活動に貢献した「ベストアウェアネス賞」や、女性CISOを選出する「ウーマンCISO of the Year賞」など、10種の賞も併せて発表する。
ナイスガイなCISOをたたえる賞など、テーマ/ジャンル別賞も用意
前述の通り、日本におけるCISOはまだまだ企業内での認知や地位が高いとは言えず、設置している企業も多くない。他方で、米国ではすでに一定の認知・地位があるほか、日本でも情報漏えい事故を起こした企業の多く(ソフトバンクBB、ソニーなど)は、事後に設置するケースが出てきている。
日本CISO協会 代表理事 佐々木慈和氏は「米国などでは一定地位のあるCISOも、日本ではまだまだ認知度が低い。ベネッセの事件など、情報漏えい事件は社会問題になりつつあるにもかかわらず、情報セキュリティの管理や対策への経営者の意識は低いと言わざるを得ない。当協会ではCISOの認識や地位の向上のためにこのような賞を実施することにした。少しでも業界へ貢献できればありがたい」とコメントした。
同協会では、最も資質の高いCISOを3人に厳選して選ぶ「CISO of the year」のほか、「テーマ/ジャンル別の各賞」を10種類用意した。各賞は以下の通り。
- ベストCEO賞
CISOの重要性を理解して資質の高いCISOを活用し、組織において情報セキュリティ活動に対しリーダーシップを発揮したCEOに贈られる賞
- ベストアウェアネス賞
情報セキュリティにかかわる啓蒙・広報・教育等の活動を積極的に実施し、社会にCISOを知らしめたCISOや組織に対して贈られる賞
- ベストイノベーション賞
保守的になりがちな情報セキュリティ活動ながら、積極的に革新的な方法やツールを取り入れたCISOや組織を評価する賞
- ベストケーススタディ賞
最も事例が出にくいジャンルである情報セキュリティに関して、社会的貢献を意識し情報セキュリティ活動の事例を最も積極的に公知したCISOや組織をたたえる賞
- ISMSベストプラクティス賞
ISMS取得事業所において、審査企業によるGood Pointの評価等が著しい組織
- ベストインシデントレスポンス賞
重大な情報セキュリティインシデントが発生したにもかかわらず、適切に対応して業界に貢献したCISOや組織を評価する賞
- 株価リカバリー賞
重大な情報セキュリティインシデントや不祥事等によって一時的に業績にマイナスの影響があったものの、その後の復旧活動等により業績や株価が回復した組織に対して贈られる賞
- ウーマンCISO of the Year賞
数少ない女性のCISOの中で、今後のさらなる活躍が期待されるCISOに対して贈られる賞
- ナイスガイCISO of the Year賞
組織というより、そのCISOの存在によって、社内の情報セキュリティ活動が推進されているような雰囲気を作るナイスガイなCISOに贈られる賞
- 学生 CISO of the Year賞
将来のCISO候補として情報セキュリティの一人者を目指す、情報セキュリティを専門や研究分野とする学生
各賞は、同協会が実施する10月初旬のカンファレンスにて、発表および受賞式が開催予定だ。
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