データベース保護に特化したエンジニアド・システムを発表 米Oracle:Oracle OpenWorld San Francisco 2014 Report
Oracle Databaseを対象としたリカバリソリューションをOracleが新たに発表。バックアップ時のデータ損失を防ぐ。
米Oracleが9月28日(現地時間)からカリフォルニア州サンフランシスコで開催中の年次カンファレンス「Oracle OpenWorld 2014」において、同社は新たなエンジニアド・システム製品である「Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance」を発表した。データベース製品「Oracle Database」の保護に特化した初めてのエンジニアド・システムとなる。
新製品はファイルデータだけでなく、データベースをも保護するもの。現在のデータベースリストアソリューションでは、一般的に、最終バックアップ以降に生成されたデータはすべて失われてしまうため、場合によっては数時間から数日分のデータが犠牲になるという。そうした課題に対し、Recovery Applianceは、変更データのみをアプライアンスに送信するため、本番用データベースへの影響や、I/Oトラフィック、ネットワークの負荷を最小化し、長時間のバックアップウィンドウを不要にするほか、クラウドスケールのアーキテクチャにより、単体で数千のデータベースの保護要件に対応できる。
また、独自のデータベース統合により、再実行データをアプライアンスに継続的に送信し、最新のトランザクションをリアルタイムで保護する。これにより、データを失うことなくデータベースをリストアできる。アプライアンスに格納されているデータベース変更データを使用して、希望する時点のデータベース全体の仮想コピーを作成する機能も持つ。
9月29日午後に行われたデータベースに関するゼネラルセッションに登壇したOracle データベースサーバ技術担当 エグゼクティブバイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏は、Recovery Applianceについて、「データのバックアップとリストアをまさにOracle製品のために実行するシステムだ。拡張性は高く、ダウンタイムなしでストレージ容量をペタバイト単位にまで対応する。データセンター内のあらゆるデータをリカバリできるようになるのだ」と強調した。
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