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Chromebookレビュー 企業で利用できるのか?Enterprise IT Kaleidoscope(3/3 ページ)

Googleが展開する「Chrome OS」を搭載したChromebookが日本も上陸した。先行発売された米国市場では好調な出足を見せているが、日本では果たしてどうだろうか。企業ユースの視点でチェックしてみたい。

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メリットはシンプルさとデバイス管理の容易さ

 今回のChromebook G11では管理コンソールのテストはできなかった。しかし、管理コンソールを利用すれば、ChromebookのハードウェアをWebの管理ポータルから一括管理できる。ユーザーが使用するアプリをあらかじめプリインストールしたり、ユーザーが勝手にアプリをインストールしないようにロックしたりすることもできる。


ChromebookにはWebベースの管理システムが用意されている。アプリの設定なども一括して管理できる

 またChromebookには、ウイルス対策機能がデフォルトで用意されている。OSやWebブラウザのアップデートも標準となっているため、常に最新のシステムを利用できる。Chromebookのメリットは、こういった管理性の良さが挙げられるだろう。デバイス自体がシンプルであり、多くの機能をクラウドで利用しているため、数百、数千台ものChromebookを管理することになっても、Webの管理ポータルから簡単に行える。

 IT部門のリソースが限られる学校などでも、デバイスを簡単に管理できるChromebookやChromeboxのメリットは大きいだろう。企業でもGoogle Appsを本格的に利用しているなら、Chromebookを導入するメリットはあるといえる。ただし、PCで多くのアプリケーションを利用している場合、全てをWebアプリケーションに移行するのは難しい。もしユーザーの利用形態がOfficeソフトなどを中心としているなら、ハードルは高いものの、OfficeをGoogle Appsへ移行すればトータルコストを抑えられることも期待できる。

 なお、Chromebookのハードウェアとしてのコストは、2013年時点ではPCに比べると目を見張るほどに安価だったが、2014年はMicrosoftやIntelが特別プログラムを提供することで、ノートPCの価格も安くなっている。個人向けという限定があるが、Windowsタブレットなどは2万円台で購入できるようになっている。

 こういった状況から、Chromebookが安いというだけで飛びついてしまうと、企業での全面的な導入は失敗する恐れもある。コストだけでなく、ChormebookやGoogle Appsのメリットを考えて、ITシステム全体として導入を考えていくべきだ。Chromebookでカバーできない部分は、VDIなどの利用も挙げられる。ある意味でChromebookは、オールマイティな解とは言えないが、限定された用途にはピタリとはまる存在となるだろう。

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