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相次ぐ「クラウドERP日本上陸」の意味Weekly Memo(2/2 ページ)

基幹業務アプリケーションを手掛ける米国の有力ソフトウェアベンダー2社が先週(2015年1月第3週)、相次いでクラウドERPを「日本市場で本格展開」すると発表した。この動きは何を意味するのか。

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両社の動きが「日本市場でのクラウドERP普及」の弾みに

 グローバルなERP市場でSAPとOracleを追うInforとWorkdayが、相次いで日本市場に本腰を入れ始めた。この動きにはどんな意味があるのか。

 まず挙げられるのは、日本市場でもクラウドERPを利用する時代が本格的に到来したと、両社が見ていることだ。SaaSについてはグローバルも日本も同様に、CRM(顧客情報管理)やコラボレーション系アプリケーションから利用されるようになったが、ERPの利用についてはグローバルが先行しており、日本ではまだまだ慎重な見方が多いようだ。

 だが、グローバルではクラウドERPを積極的に展開しているSAPとOracleも、いよいよ日本でも本腰を入れる姿勢を打ち出している。また、日本の有力ベンダーも力を入れ始めており、まさに今、日本市場でクラウドERPの普及が大きく進展する気運が高まってきているといえる。InforとWorkdayの動きは、そうした気運に弾みがつくきっかけになるのではないか。

 さらに、InforとWorkdayが日本市場での本格展開にあたって需要があると見ているのは、日本企業のグローバル事業拡大にともなう海外拠点でのクラウドERPの活用だ。

 この点については両社とも、「現在使用しているオンプレミス型ERPを一気にクラウドERPへ移行しようという日本企業はまだまだ少ない。だが、グローバルに事業を展開している企業は、まず海外拠点でクラウドERPを導入して日本の本社とハイブリッド形式で使ってみて、コスト削減や一元管理などの面でさらなる効果が見出せるならば、本社もクラウドERPに移行しようと考えている。そこにわれわれのビジネスチャンスがある」とのシナリオを描いている。

 その根本には、「日本企業はこれからグローバル事業をさらに拡大していく」との読みがある。そう考えると、InforとWorkdayの今回の動きは日本企業のグローバル化への強い期待感とも受け取れる。

 SAPとOracleもクラウドERPについては、これから日本市場で大攻勢をかけてくるだろう。日本の有力ベンダーはグローバルなクラウドERPに対抗していかなければならない。2015年はまさしく「クラウドERP戦国時代」に突入することになりそうだ。



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