「買う時、選ぶ時」に割チケが届く iPhone×クノールの新・iBeacon活用施策:iBeaconでオフラインリターゲティング(2/2 ページ)
iPhoneに標準搭載するiBeacon機能を使い、「物理的リターゲティング」を目的とする実証実験がスウェーデンで行われた。クノールとスウェーデンの新聞社Aftonbladetが手を組み、スマホを軸に再来店や購買を促す新アイデアの事例だ。
スマホを起点に再来店を促す、新しいマーケティング手法
Aftonbladetアプリをインストールする市民がスープのサンプルを受けとりに来るとiBeaconが反応し、サンプルを受けとった人の情報が蓄積される。
蓄積した情報をもとに、後日、サンプルを受けとった人のスマホへ別のBeaconをトリガーに直接広告を配信する。オンラインではCookie情報などをもとに、再訪を促すためサイトを訪れた人に特化した広告を配信するリターゲティング広告をご存じと思うが、再来店の促しをスマホを軸にしつつも実店舗ベースで実現する、これが「物理的リターゲティング」などと呼ばれる、クノールのiBeaconを使った新たな活用方法だ。
その場で来店の促しやクーポンを配布する一般的なiBeacon活用シーンと何が違うか。「ストアビーコン」ブランドでBeaconソリューションを展開する日本写真印刷によると「すでに一度、興味を持ってくれたユーザー情報が得られていること、そして、Beaconシステムを販売店まで連動して拡充させれば“ユーザーがまさに購入する時/店内で買おうと選んでいる時”に、その本人だけお得な割引クーポンを直接配布できること」が違うという。
他社製品も並ぶスーパーマーケットのスープ販売コーナーで選んでいる時にクノールのお得チケットが届けば、どうだろう。プッシュ通知的なアプローチから一歩進んだ「物理的リターゲティング」。スマホを起点に来店や物理的な販促を促すならば──ナルホドこういう手段も。そう感じられる事例と言える。
関連記事
- 京都市営バスを便利にするIoT、「ハイテクバス到着案内システム」の裏側
2020年のオリンピック開催に向け、東京近郊はもちろん国内観光地や地方自治体も大きな商機を見込み、整備を加速させている。その活動の一環として、京都市が市営バスに「新型のバス到着案内システム」導入。その背景を取材した。 - 普及の第2フェーズに入る「iBeacon」──ACCESSに聞く、導入事例と対策のヒント
あらゆる機器がネットワークとつながるIoT社会の到来を控え、企業のIT担当者はどこに、何を投資し、注力すべきか。今回はIoT対策の一環と位置付ける「iBeacon」をキーワードに、導入例と対策のヒントを探ろう。 - もう迷わない? 「東京駅構内ナビ」アプリ、JR東日本が公開 ビーコンで現在地表示、ナビ機能を実証実験
東京駅構内で目的地までのルートを案内するiPhoneアプリ「東京駅構内ナビ」をJR東日本が公開する。構内ナビ機能の実用化に向けた実証実験。 - “最短1カ月”で導入できるiBeaconお試しキット、日本写真印刷が提供
日本写真印刷が、iBeaconを使うシステムを最短1カ月の短期間で導入できる「ストアビーコン・簡単スタートパック」の提供をはじめた。低価格なお試しキットで「具体的に何ができるか」を確認できる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.