「iPad Air」で議会進行、寒川町議会が挑む“年間10万枚”のペーパーレス化
神奈川県・寒川町の寒川町議会が、「ペーパーレス議会」の実現のためiPad Airとクラウド型ドキュメントサービス「moreNOTE」を使った「文書共有システム」を導入した。
神奈川県高座郡寒川町(木村俊雄町長 人口約4万7600人/2015年2月現在)の寒川町議会が2015年2月、議会運営の文書共有基盤としてアップル「iPad Air」と富士ソフトのクラウド型ドキュメントサービス「moreNOTE」を導入した。年間10万枚の紙資料を2015年内中にペーパーレス化し、議会運営のさらなる効率化を図る。
同議会(議員定数18人)では、年管10万枚におよぶ膨大な紙資料で議会を運営しており、かねてより紙資料の削減を大きな課題としていた。それには印刷や配布、資料作成作業の手間を含む経費や原価、人件費のコスト削減も含まれる。
この課題解決のため、2014年1月よりタブレットを活用したペーパーレス化ソリューションの本格導入を検討。調査研究や実証実験を1年かけて行った結果、タブレットはiPad Air(Cellular+Wi-Fi)、文書共有システムはmoreNOTEの選定を決めた。議会はこれまでの紙資料に代え、iPad Airへの画面表示で資料を表示ながら議会審議などを行う。
moreNOTEは、会議資料などのドキュメントのほか、動画や画像も含めてサーバで一元管理し、タブレットなどで容易に共有、表示、編集できるサービス。会議室内の端末へ一斉に同期表示する「マルチペアリング」機能、ポインター/ペン記入ツールなどを備え、ペーパーレスでの会議運営や議事進行を強力に手助けする。オンプレミス運用のほかに、富士ソフトの国内クラウドサーバへ置くクラウド運用も可能とし、端末の紛失や盗難に備えたファイルの暗号化機能や端末認証機能など、ビジネス利用時のセキュリティも確保する。
まずはアップル「iPad Air」とmoreNOTE(計48ライセンス)の規模で開始する。タブレットの活用とともに議会審議や議員活動に役立て、2014年内の完全ペーパーレス化を目指す。
選定の決め手
- 安全性を高めながらペーパーレス化を実現できる
- 導入によって業務効率化が見込まれる
導入効果
- ペーパーレス会議(紙資料の削減)
- 資料作成コスト削減(印刷、配布、作業の削減)
- 情報共有のスピードアップ
- 事前資料閲覧による、会議進行のスピードアップ
- カラー資料、動画の活用による、効率的な資料作成
- 議会活動の質の向上と議会運営の効率化
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