freeeが目指すクラウド完結型社会――2015年の「3つの変化」とは?:マイナンバーにも対応(2/2 ページ)
クラウド会計ソフトやクラウド給与計算ソフトを展開するfreeeが2015年度の事業戦略を発表した。同社の狙いはバックオフィスに残るデータを完全にクラウド上に持っていくことだ。
freeeが2015年度に実現させるものとは?
freeeではこのような変化に乗って同社のコンセプトである「自動化」「バックオフィス最適化」をさらに推し進めていく。
e-GOV APIを活用した労働保険の更新
労働保険の更新手続きのうち申告から納付までを「クラウド給与計算ソフトfreee」上で完結できる機能を5月末に実装する予定だ。毎年7月に申告する労働保険料の計算は前年度の金額を基に複雑な計算が必要だった。これをfreee上で計算し、結果をe-GOV API経由で申告できる。
さらに税金や公共料金をPCから決済できるPay-easy(ペイジー)と連携することで納付まで数クリックで終わらせられるようにする。もちろん支払った記録は「クラウド会計ソフトfreee」に取り込める。
電子帳簿保存に対応
すでに「クラウド会計ソフトfreee」には、ファイルボックス機能を使ってスマホのカメラで撮影したりスキャナーで取り込んだりした領収書を保存できていた。ただしこれは文字通り保存できただけであって、電子帳簿保存法の要件を満たしていない。2015年10月以降の改正法施行に備え、タイムスタンプ付与に対応したスキャナーからの取り込みに対応する機能を秋ごろに実装する。
マイナンバーに対応
前述のとおり、マイナンバーの個人番号の取り扱う企業や税理士には特定個人情報としての管理義務が発生する。だが、従業員や外注先の個人番号をfreee内で管理することで、企業や税理士から保存義務がなくなりマイナンバー管理コストが削減できるという。
また、法人番号についても国税庁が公開する情報を収集し、取引先の法人番号を入力するだけで名称や所在地などの情報を自動的に補完する機能を実装する。このほか、給与支払いと経費精算連携機能でもマイナンバー対応を進め、経費と給与をまとめて振り込みできる機能なども追加予定だ。
佐々木氏は「これまでは社員が増えるたびに自転車に乗って、複数の役所に届出をしていたものが数クリックで完結する。『クラウド完結型社会』が実現できる」と自信をのぞかせた。
「マイナンバー」番号法・企業の対応と注意点のバックナンバー
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- 2015年秋からスタートする「番号制度(マイナンバー)」とは何ですか?
- 「マイナンバー」への対応で実施すべき5つのポイント
- 民間企業における「マイナンバー」対応の具体的な内容と注意点(前編)
- 民間企業における「マイナンバー」対応の具体的な内容と注意点(後編)
- 企業版のマイナンバー「法人番号」とは?
- 想定業務と情報漏えいのリスクから考える、中小企業の「マイナンバー対策」