生まれ変わった「Skype for Business」でオフィスはどう変わるか:LyncがSkypeに統合
マイクロソフトの企業向けコミュニケーションツール「Lync」がSkypeと統合され、「Skype for Business」が登場。「ワークスタイル変革といえば、マイクロソフト」というポジションを目指す同社の狙いとは。
子育てと仕事を両立する在宅勤務や、地方にオフィスを設置して地方創生を促すサテライトオフィス。どこにいても仕事ができる「場所」に制約されない働き方を実現する「テレワーク」が今、注目されている。そんな中、マイクロソフトが「テレワーク推進の立役者」と位置づける企業向けコミュニケーションツール「Lync」が「Skype for Business」に生まれ変わった。
旧Lyncはメンバーのプレゼンス(在席管理)やチャット、通話、オンライン会議など、企業向けコミュニケーションツールとして全世界で1億人、米国企業の実に約8割に利用されていた。また、国内では遠隔地の小学校間におけるビデオ通話を使った交流授業や、高等学校における遠隔授業のモデルについて、マイクロソフトと慶應義塾大学SFC研究所がSkype for Businessを用いた共同研究に合意するなど、教育面での活用も見込んでいる。
Skype for Businessは何が変わった?
Skype for BusinessはSkypeのユーザーインターフェース(UI)に統一しつつ、セキュリティ面や機能面はこれまでのLyncを踏襲する。セキュリティ機能のほか、クラウド、オンプレミス、ハイブリッド、それぞれの方法で導入できるのもこれまでと同じだ。これによってスマートデバイス、Windows、Mac、Webツールそれぞれのデバイス間で統一された使い勝手を実現していく。
これまで250人までだったオンライン会議の対応人数は、数千人レベルまで拡大。企業やサードパーティ向けに開発APIの提供も予定しており、アプリや社内ツールへ組み込めるようにする。Webアプリ内にSkype for BusinessのCallボタンを表示して担当者に直接問い合わせるといった、新しい活用が期待できる。
ワークスタイル変革を推進する、マイクロソフトの狙いとは?
これまでSkypeはコンシューマー向け、Lyncは企業向けと線引きされていた。今回ブランドを統合したのはなぜか。その狙いは世界に3億ユーザーが存在するSkypeの知名度を通じて、マイクロソフトが推進するワークスタイル変革を軸にした製品戦略を強固なものにすることだ。
モバイル化、クラウド化が進む中、企業にとって人材確保や経費削減、災害時の事業継続性、営業範囲の拡大といった、社員が働きやすい環境を作ることを真剣に考えていかなければ、ビジネスの成長は望めないという声もある。
「日本のビジネスコミュニケーションを変える。テレワーク、ワークスタイル変革といえばマイクロソフト、Skype for Businessと言われるようになりたい。2016年までに、Skype for Businessを2014年6月時点の実績比で2倍の規模にする」 (日本マイクロソフトの織田氏)
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