スマホをロックした、金を払え:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
4月には多くのセキュリティベンダーから「リポート」が出ます。今回はシマンテックとトレンドマイクロが今、サイバー世界のどんな事象に注目しているのかを紹介します。
セキュリティベンダーなんて、どこも同じでしょ?
なぜ各社はこのようなリポートを無料で提供するのでしょうか? 自社製品に言及するわけでもないので直接的な宣伝ともいえなさそうです。むしろ「ウイルス対策ソフトは死んだ」という発言をするベンダーも出てきたように、現代のセキュリティ対策において製品を入れるだけで完璧に守れるわけではありません
情報システム部門の担当者にとって、どのようなセキュリティ対策製品を導入すべきかという選定は難しい作業だと思います。「比較表」を作ると、得てして価格と機能ベースになりがちです。しかし、本来とるべきステップは「今、当社が守るべきものは何か?」を明確にし、最適なソリューションを導入することのはず。
セキュリティベンダーが定期的に提供する無料リポートは、それぞれがサイバー世界をどう監視しているのか、その能力がはっきりと出てくる資料です。各社がどの分野に注目しているのかを把握できる貴重な情報源ともいえるでしょう。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。みなさんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
関連記事
- ゴールデンウィーク中のサイバー攻撃などに注意 事前点検を
セキュリティインシデントの予防や緊急体制の事前確認などが重要になりそうだ。 - 標的型攻撃への対応がやばい――セキュリティ担当者の悩みはどこに?
Intel Securityグループの調査で、企業が1年に平均78件のセキュリティインシデントに直面していることが分かった。素早い対応が望まれるものの、現場担当者は多くの課題を指摘する。 - 脅迫するランサムウェア、日本や韓国への攻撃を本格始動
欧米で猛威をふるった「TorrentLocker」の感染が日本や韓国でも目立ってきた。感染PCのIPアドレスに応じた言葉で脅迫文を表示する。 - 標的型攻撃メール、1〜3月の主流は「添付ファイル型」
IPAと情報共有している企業などが受信した標的型攻撃をみられるメールは、マルウェアなど仕込んだファイルを添付するものばかりだった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.