匿名投稿のSecret、終了へ 「ビジョン通りにいかなかった」
完全に匿名にすることで自由なコミュニケーションの場を提供することを目的に「Secret」を立ち上げた創業者が、1500万人のユーザーを獲得したものの、「ビジョン通りにいかなかった」として向こう数週間中にサービスを終了すると発表した。
米Secretの共同創業者、デビッド・バイトウ氏は4月29日(現地時間)、昨年2月に立ち上げた匿名交流サービス「Secret」を向こう数週間中に閉鎖すると発表した。
Secretは、ほぼ完全に匿名のまま交流できるのが最大の売りのサービス。同年5月には日本でも利用できるようになり、12月には1対1の(匿名の)チャット機能も追加された。
バイトウ氏によると、同サービスのユーザーは1500万人以上という。だが、「残念なことに、Secretは立ち上げ段階のビジョンを体現しはしなかった。(サービス終了という)決断は、私にとっても、投資家にとっても、従業員にとっても正しいことだと信じる」という。
具体的な理由は説明していないが、匿名によるオープンなコミュニケーションは理想的なソーシャルメディアを構築するための強力なツールだと信じていたが、「慎重に使わなければならない諸刃の剣でもあった」と語り、将来的に誰かが成功するのを楽しみにしているとした。
また、企業としてのSecretにはまだ複数の投資家から調達した資金が残っているが、すべて返すという。
同氏は「この驚くべき16カ月から学んだこと」を起業を目指す人々の参考にするために出版するつもりだと語った。
バイトウ氏はナムコから米Googleに入り、その後、米Squareに務めたあと、Googleの同僚だったクリス・ベイリー氏とSecretを立ち上げた。ベイリー氏は1月に「Secretは自分の愛したものではなくなった」として既に退社している。
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