Microsoft Build 2015(Day 2)で発表されたことまとめ
Microsoftの開発者会議Build 2015の2日目の基調講演では、HTML5/JavaScriptアプリをiOS/Android/Windows 10に対応させるツール「ManifoldJS」などの他、Azure Machine Learningのデモや、スクエア・エニックスによるDirectX 12を使ったリアルタイムレンダリングCGのデモが披露された。
米Microsoftが米カリフォルニア州サンフランシスコで開催の年次開発者会議「Build 2015」の2日目、4月30日(現地時間)の基調講演で発表したことを、時系列で簡単に紹介する。
初日よりもさらに開発者向けの内容になっている。
メディア&エンターテインメント関連
冒頭で、IoT(モノのインターネット)やBluetooth技術を応用したMuzikのバーチャルドラム「Smart Stick」のデモが行われた。コンピュータを搭載するワイヤレスのドラムスティックを振ると、ドラムセットのような音がほとんどレイテンシなく流れた。
また、Propellerheadのマルチプラットフォーム(Windows、Android、iOS)の共同作曲アプリも紹介した。
商用アプリ関連
Windows 10での3Dプリンタ出力を可能にするAutodeskの「Spark」プラットフォームの紹介。
Windows 10関連
Windows 10はいかにWindows 8とは異なるかという説明の後、Windows 10では1つの「Windows Universal Platform」でIoTから大画面端末まで、あらゆる種類の端末で稼働するアプリを開発できることが示された。
また、Win32アプリやWebアプリをWindows Storeに登録する方法が紹介された(関連情報はこちら)。
HoloLens向けWindows 10アプリの開発についてもデモが行われた。
クロスプラットフォーム関連
前日に発表したAndroid/iOSアプリからWindows 10への移植のためのSDKに加え、HTML5/JavaScriptアプリをiOS/Android/Windows 10に対応させるツール「ManifoldJS」をオープンソースで公開すると発表。
データ&インテリジェントクラウド関連
GitHubとの提携の強化と、GitHubのツールをAzureで利用できるようにする「GitHub Enterprise on Azure」の提供を発表した。
Microsoft Azure Machine Learning(ML)によるビッグデータ解析、リアルタイムダッシュボードのデモでは、「How-Old.net」(別記事)が紹介された。このデモの後、開発者に顔/音声認識APIを提供する「Project Oxford」も紹介された。
Azureでのビッグデータ処理の例として、ドローンで撮影した50時間分のポンペイ遺跡のデータを「A7 Azure VM」を使って3Dマップ化したプロジェクト「Pompeii」も披露された。
ゲーム関連
スクウェア・エニックスが、DirectX 12を使ったリアルタイムCG技術デモ「WITCH CHAPTER 0 [cry]」を行った。タイトル通り、泣く描写をリアルに表現したものだ。この技術は同社のゲームエンジン「Luminous Studio」に統合される。デモは、基調講演の録画動画の2時間6分目くらいから視聴できる。
また、昨年11月に買収完了したMinecraftで、Visural Studioでゲームを改造できるようにするオープンソースのプロジェクトも発表した。。
基調講演の録画はこちらで公開されている。
関連記事
- Microsoftの顔写真での年齢/性別当てサイトが人気に(Azureのデモで)
Microsoftがビッグデータ解析サービスのデモとして紹介した顔写真から年齢と性別を当てるWebページ「How-Old.net」を公開した。Build 2015の基調講演での紹介中、リアルタイムで世界中から顔写真がアップロードされた。 - Raspberry Pi 2向け「Windows 10 IoT Core」プレビューと“Arduino Certificated”版開発を発表
Microsoftは「Build 2015」で、Raspberry Pi 2とIntelのMinnowboard Maxで稼働する「Windows 10 IoT Core」の「Insider Preview」をリリースした。また、Arduino.ccとの提携で“Arduino Certified”Windows 10を開発する。 - Microsoft、iOS/Androidアプリ→Windows 10移植のSDKを発表
Microsoftは年次開発者会議「Build 2015」において、iOSおよびAndroidアプリを“わずかなコード変更で”「Windows 10」の“ユニバーサルアプリ”に移植できるようにするSDKを発表した。既に英KingがiOS版「キャンディークラッシュ」をユニバーサルアプリ化した。 - Microsoft Build 2015(Day 1)で発表されたことまとめ
新ブラウザの正式名称「Microsoft Edge」やHoloLensのデモの他、クロスプラットフォームの「.NET Core」やコードエディタ「Visual Studio Code」、Azure関連の新サービスなどが発表された。 - Microsoft、拡張現実HMD「HoloLens」向けXboxゲームのためのAPI提供へ
Microsoftは、拡張現実HMD「Microsoft HoloLens」でXboxのゲームをプレイできるようにするための「holographic API」をWindows Insider Programで提供する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.