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Windows Server 2003サポート終了目前 それでも移行が遅れる理由Xデーは7月15日

いよいよWindows Server 2003のサポートが終了する7月15日まで2カ月を切ったが、中小企業は移行が遅れているケースも少なくないという。なぜ、移行が進まないのか、移行を促すためのどんな支援策があるのか――。“待ったなし”の今、マイクロソフトの調査と施策から検証する。

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 いよいよWindows Server 2003のサポートが終了する7月15日まで2カ月を切ったが、日本マイクロソフトのアンケートによると、まだ2割弱の企業が「移行時期は未定」としているという(2015年3月末時点)。移行の遅れが目立つ中小企業に至っては、約4割が「これから検討」、約1割が「予定なし」と回答するなど、約半数が“計画なし”の状況だ。

 なぜ、移行が進まないのか、移行を促すためのどんな支援策があるのか――。“待ったなし”の今、マイクロソフトの調査と取り組みを見ていこう。

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サポート終了は7月15日と目前に迫っている

“延命対策したから安心”という誤解も

 調査によると、3月末時点のWindows Server 2003の稼働台数は約14万台。同社はサポート終了時の稼働台数を5万台規模に減らすことを目指しており、啓蒙活動を進めている最中だ。

 移行が進まない理由については、約6割の企業が「IT予算の制約」を挙げており、約3割は「マイナンバー法への対策と併せて移行する」と回答。「移行しない」とする企業に理由を聞くと、約半数が「運用の工夫で対応できる」とし、「サーバ内に重要なデータがない」という回答も約2割に達するなど、危機感の欠如が垣間見える。また、少数派ながら、「サーバの状況を把握していない」という企業も存在する。

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移行が進まない理由

 7月15日のサポート終了に移行が間に合わない場合、セキュリティソフトの導入や仮想化などで“一時的な延命策”を図るという手もある。しかしマイクロソフトの調査によると、この延命策が誤解されているケースもあるようだ。「セキュリティソフトを導入しているから安心」と回答する企業は約6割、「仮想化しているから大丈夫」という企業は4割弱に達し、リスクに対する認識不足が懸念されるという。

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移行しない理由と延命策の誤解

中小企業の移行を阻む3つの要因

 移行の動向を企業規模でみると、中小企業の遅れが目立っていることが分かる。3月時点のマイクロソフトの調査によると、従業員250人以上の企業の7割超が「入れ替え中/入れ替え予定」としているのに対し、250人以下の企業は約4割が「これから検討」、約1割が「予定なし」と回答。残り3カ月のタイミングで「約半数が計画なし」という厳しい状況になっている。

 移行が進まない要因のトップに挙がったのは、「予算確保・経営層の理解」が約半数でトップとなり、「社内の人手不足」(約1割)「アプリケーションコストが高い」(約1割)と続く。

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中小企業(従業員250人未満)の移行計画と移行が進まない理由

 マイクロソフトは経営層の理解を深めるための施策として、商工会議所や経産省とともに、全国約20カ所でセミナーを展開しており、すでに400人が説明を受けたという。コスト面の支援については、Openライセンスの10%ディスカウントキャンペーンを展開するほか、サーバ製品の支払いを本稼働まで0円にする据え置き払い、初期投資を少額に抑えられる不均等払いの2種類から選べる施策を提供している。

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マイクロソフトの移行施策

 Windows Server 2003のサポートが終了すると、たとえ新たな脆弱性が見つかっても更新プログラムが提供されなくなることから、侵入や感染による情報漏えいなどのセキュリティリスクが一気に高まる。また、周辺機器やサービスなど、サーバを取り巻くエコシステム全体も次々とサポート終了に向かうため、業務に支障をきたすことも予想される。加えてコンプライアンスへの準拠という観点からも、速やかな移行が望まれるという。

 マイクロソフトのSMB営業統括本部で統括本部長を務める佐藤亮太氏は、今後は駆け込みの移行需要が増加し、対応できる技術者が不足すると予想されることから、「まだ手を打っていない企業は、すぐにでも動き始めてほしい」と呼びかける。

 取り組むべきこととして挙げるのは、「既存サーバ環境の棚卸し」「移行先の選択」「予算とスケジュールの確認」の3点だ。まず、対象となるWindows Server 2003サーバが社内にどのくらい残っており、何に使われ、どこに設置されているかを洗い出し、次にクラウドに移行するか、物理的に統合するのか、ハイブリッドで動かすかを検討。移行方法を決めたら必要なコストと期間を調べ、どのパートナーと協力して進めるかを考えてほしいと話す。

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移行に向けてすべきことは「既存サーバ環境の棚卸し」「移行先の選択」「予算とスケジュールの確認」の3点

 マイクロソフトでは、移行に関する各種情報やセミナーの案内、移行支援パートナーの連絡先、移行ガイドのダウンロードページを用意した「Windows Server 2003移行相談窓口」を提供中。Windows Server 2003の移行で出遅れた企業は要チェックだ。

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