Spotify、動画に参入 ランニングサポートでNikeとの提携も
音楽ストリーミングのSpotifyが、動画ストリーミングやランニングサポート機能、ユーザーの状況に合わせた音楽/動画ミックスなどの新機能でAppleの新音楽サービスを迎え撃つ。
スウェーデンの音楽ストリーミングサービスSpotifyは5月20日(現地時間)、モバイルアプリの大幅な強化を発表した。
英BBCや米TEDなどのメディアとの提携による動画とPodcastの「Show」、ユーザーの状況(時間帯や場、好み)に合わせた音楽や動画のミックスを提供する「Now」、ランニングを支援する新機能「Running」を追加する。同社が動画ストリーミングを手掛けるのはこれが初めてだ。
また、人気DJなどによるオリジナルコンテンツも製作する。
新規の競合TIDALや米AppleがWWDCで発表するとみられる新音楽サービスを迎え撃つ構えだ。
ジャンルではなく、状況に合わせたミックス「Now」
「Now」はユーザーの年齢などの個人データや音楽再生履歴、時間帯などを反映した音楽と動画のパッケージ(ミックス)を提供する機能。「幸せな金曜日の通勤に」「午後のアコースティック音楽」など様々なテーマのミックスをスワイプして選択できる。音楽だけでなく、ニュースなどの動画コンテンツが含まれる場合もある。
動画・Podcastストリーミング「Show」
動画コンテンツおよびPodcastの提携先はABC、BBC、Comedy Central、Conde Nast Entertainment、ESPN、TED、Vice Mediaなど多数。ニュースやTEDの人気デモ、コメディーなどが視聴できる。
オリジナルコンテンツには「Running」向けの音楽ミックス、アーティストのインタビュー動画やパフォーマンスなどがある。
ランニングの速度をキープできる「Running」
「Running」を起動して走り始めると、ユーザーの速度を検知してテンポの合う一連の音楽を再生する。Now同様にユーザーの好みが反映される。
今夏にはNikeとの提携で“新しい音楽体験”を提供し、年内にはNike+とRunKeeperのフィットネスアプリと連係させる計画という。
Spotifyのダニエル・エクCEOは「これまでより広い範囲のエンターテインメントコンテンツを提供することで、ユーザーの生活を彩るサウンドトラックになりたい。われわれはそれをスタートしたばかりだ」と語った。
Nowの提供は同日から、まず米、英、独、スウェーデンのiPhoneユーザー向けにスタートする。Runningは世界のiPhoneユーザー向けにスタートする。
Spotifyは、広告ベースの無料サービスと月額9.99ドルの有料サービスがある。日本ではまだ使えない。
関連記事
- Sony MusicとSpotifyの2011年の契約書リークで高額アドバンスが明らかに
米ブログメディアのThe Vergeが入手・公開したソニーとSpoitfyが2011年に交わしたストリーミング契約書によると、ソニーはアドバンス(前払金)を4250万ドル(約51億円)獲得した。アドバンスは通常、アーティストには分配されない。 - AppleのBeatsベースの新音楽サービス、これまでのうわさまとめ
Appleが6月8日から開催する年次開発者会議WWDCでBeats Musicベースの新たな有料音楽ストリーミングサービスを発表するという見方が強まっている。月額料金や機能など、これまでに浮上しているうわさをまとめた。 - ジェイ・Zの音楽配信サービス「TIDAL」、プリンスのライブを無料配信へ
ジェイ・Zが立ち上げた有料音楽ストリーミングサービス「TIDAL」で5月10日、プリンスがボルティモアで開催するコンサートの音声の一部を無料で(会員以外にも)ライブ配信する。【UPDATE】日本でも聴くことができる。 - ソニー、Spotifyベースの音楽配信「PlayStation Music」スタート
ソニーがSpotifyベースの定額制音楽配信「PlayStation Music」をスタート。Spotifyが進出していない日本では利用できない。 - 日本の音楽市場、前年比16.7%減 Spotify上陸予想で「今年は変化」も
2013年の日本の音楽市場はパッケージ売り上げの減少などで前年比16.7%と大幅減。黎明期のサブスクリプションサービスの伸びが期待される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.