Sony MusicとSpotifyの2011年の契約書リークで高額アドバンスが明らかに
米ブログメディアのThe Vergeが入手・公開したソニーとSpoitfyが2011年に交わしたストリーミング契約書によると、ソニーはアドバンス(前払金)を4250万ドル(約51億円)獲得した。アドバンスは通常、アーティストには分配されない。
人気アーティストのテイラー・スウィフトが「音楽は無料ではない」として音楽ストリーミングサービスSpotifyから自身の楽曲をすべて引き上げた際、Spotifyのダニエル・エクCEOは音楽レーベル、音楽出版社、著作権管理会社に累計20億ドル以上を支払ったと説明した。
米The Vergeが5月19日(現地時間)にリークした2011年のSony Music EntertainmentとSpotifyとの契約書によると、Spotifyはこの契約で少なくともアドバンス(前払金)だけでSony Musicに4250万ドル(約51億円)支払ったことが明らかになった。
The Vergeは、音楽業界では通常、アドバンスがアーティストに分配されることはないという業界関係者のコメントを紹介している。
取り分の決め方は複雑だが、例えばSpotifyの粗利益が1億ドルの場合、レーベルの取り分は6000万ドルで、Sony Musicがストリーム全体に占める割合が20%以上であれば、Sony Musicの取り分は1200万ドルになるとThe Vergeは説明する。
それとは別にSony Musicは最高900万ドル分の広告スペースを無料で使える。
Spotify自身も説明しているように、Spotifyはストリーミングごとに著作権使用料を支払っているわけではなく、テイラー・スウィフトのようなアーティストに直接支払っているわけでもないので不透明な部分が多いが、少なくともこの契約書から分かることは、SpotifyからSony Musicへの支払いはかなりな額に上るということだ。
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