これからはじめる「マイナンバー対策のキホン」5つのポイント:特集 情シスが率先して実施する「企業のマイナンバー対応」(2/4 ページ)
すべての企業が対応しなければならない「マイナンバー制度」。あなたの会社は対策しているだろうか。「そうは言っても……何からやれば分からない」。そんな企業の情シス担当者は、まずは「何を考え、実施するか」のキホンを理解しよう。
マイナンバーは、煩雑な行政業務を効率化する目的の制度
マイナンバー制度は、「マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)」により開始される、個人情報管理の新たな制度・社会基盤である。具体的には「行政の効率化」と「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」の3つを目的にするものとなる。
行政機関や自治体などはこれまで、年金や介護保険、自治体事務など、業務や組織ごとに個人情報を個々の台帳(データベース)で管理していた。ただ、組織間で相互連携(閲覧や参照など)が行われておらず、行政事務の効率化や行政サービス向上の足かせになっていた。国民にとっても、省庁や役所間での役割分担や過剰な管轄意識が働く“縦割り行政”の影響で、面倒を強いられることが多々あった。
そこでマイナンバー制度では、2015年10月から各市町村が日本国民や在日外国人などに固有の番号を通知(付番)する「マイナンバー(個人番号)」で、既存の分散管理された個人情報を横断して検索できる仕組みを整備することにした。行政機関の垣根を越えて、ワンストップで対応。ここがひとまずの狙いだ。
マイナンバーの活用範囲は、将来的には、マイナンバーを民間で有効に使う将来的な利用範囲の拡張が検討されている(*)ものの、当面は「税」「社会保障」「災害対策」の3分野に限られる。また、マイナンバー制度の開始に合わせて法人には固有の「法人番号」が付番され、同様に帳票への記載が義務付けられる。
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