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VMwareがクラウドサービスを強化、従量課金でも利用可能に

セキュリティ管理を容易にするネットワークサービスの導入や災害対策サービスの拡充を図る。

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 ヴイエムウェアは6月4日、クラウドサービス「VMware vCloud Air」の新機能などを発表した。日本のデータセンターからも利用でき、7月上旬から順次提供する。

 新施策は、共有型IaaSの従量課金ライセンス「VMware vCloud Air Virtual Private Cloud OnDemand」と、ネットワーク仮想化技術「VMware NSX」を利用した新サービス「VMware vCloud Air Advanced Networking Services」、災害対策サービス「VMware vCloud Air Disaster Recovery」の3つ。

 IaaSでは月額課金ライセンスの「Dedicated Cloud」(占有型)と「Virtual Private Cloud」(共有型)の2種類を提供している。従量課金ライセンスのVirtual Private Cloud OnDemandは、1分単位で実際の利用時間に応じた料金を支払う。参考価格は2つの仮想CPU/仮想メモリ8Gバイトの場合で1時間あたり28円から。クレジットカード決済のほか、プリペイド(事前購入ポイントから実利用相当分のポイントが引かれる)式も用意する。主な想定用途はシステムやアプリケーションの開発・テストなどだ。


vCloud Airサービスの主なライセンスと内容

 Advanced Networking Servicesは、オンプレミス環境で利用しているVMware NSXによるネットワーク管理や機能などをvCloud Airの環境に適用して、同一の運用を可能にするという。同サービスでは「マイクロ セグメンテーション」や「ダイナミックルーティング」といった機能を提供する。

 マイクロ セグメンテーションでは仮想マシン単位でステートフルファイアウォールを利用できるほか、個別にセキュリティポリシーを割り当てられるという。例えば、仮想マシンで不正プログラムが検出された場合に、従来は仮想マシンを削除するなどの対応しかできなかったが、マイクロ セグメンテーション機能では仮想マシンをネットワークから分離して他の仮想マシンへの影響の拡大を防ぎながら、不正プログラムの挙動などを調査できるようになる。この他に、レイヤ7のロードバランシングやHTTPSのオフロードも可能になる。


きめ細かいセキュリティ管理などが可能になるAdvanced Networking Services。7〜9月期に開始する

 Disaster Recoveryでは「VMware vRealize Orchestrator DRプラグイン」が無償提供され、管理ツールのvRealizeからフェイルオーバーやリカバリなどの操作ができる。また、最大24のスナップショットも可能になり、リカバリポイントをきめ細かく設定できるようになるという。


災害対策(DR)向け機能も強化した

 同社では仮想デスクトップサービスの「Horizon Air」も6月9日に正式に開始する。

クラウド事業の好調ぶりをアピール


記者会見する三木会長

 企業の仮想化基盤として多数の顧客を抱えるヴイエムウェアだが、クラウドサービスの普及を受けて近年は“One Cloud”をキーワードに、vCloud Airを中心としたクラウドサービス事業を強化している。国内ではソフトバンクグループと協業して2014年秋からサービス展開を始めた。

 同日の記者会見で三木泰雄会長は、事業動向について「一言で表せば、好調だ」とコメント。7月にサポートが終了するWindows Sever 2003を使ったシステムの移行先や開発・検証環境目的でのvCloud Airのユーザー獲得に成功していることを強調した。同氏によれば、5月31日現在で販売や技術面でのパートナーも95社に拡大。今回のサービス拡充やパートナー向け施策の強化で、顧客獲得を推進したいという。

 また米VMwareのスコット・コリソン vCloud Air担当副社長は、vCloud Airのデータセンターが米国連邦政府機関向けサービスに採用されたことや、日本の金融情報システムセンター(FISC)の要件に準拠していると説明。製造や金融、エンタテインメント、メディアなど広範な業種でvCloud Airが採用されているとアピールした。


vCloud Airの主なユーザー企業

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