“脱Excel”でクレーム半減、三井住友海上の挑戦(2/3 ページ)
コールセンターへの電話がつながらなくてイライラ。そんな経験がある人は多いはず。これは企業にとっても大きな悩みの種だ。人工知能など、コールセンターへのIT導入を進める三井住友海上火災保険は、オペレーターの応答率を高める新システムを導入したという。
「クラウドで構築」が必須の要件に
ソリューションの選定を始めたのは、2013年の秋ごろ。検討の際に重視したのは、オンプレミスではなく、クラウドでシステムを構築できるという点だった。「自前でシステムを持ってしまうと、うまくいかなかったときにコスト的に取り返しのつかないことになります。運用の負荷やバージョンアップへの対応なども考えると、クラウドで構築するのがよいと考えました」(佐久間さん)
当時は日本のWFMシステムはパッケージ販売が主流で、クラウド環境で構築できる製品が少ない状況だった。外資系企業のWFMも検討したが、日本の商習慣に合わせるために細かなカスタマイズが必要であったり、ユーザーインタフェースに難があるなど、なかなか成功事例がなかったという。
導入への道が開けたのは偶然のことだった。「ちょうどその時期、別件のついでにNTTソフトウェアに相談したところ、WFMシステムがあることを教えてもらいました」と佐久間氏は振り返る。
NTTソフトウェアの「CTBASE/WFM Cloud」は、センター内のプレゼンス確認やチャットソフト、コール数予測に基づいた勤務スケジュール作成、パフォーマンス分析といったコールセンター用ソリューションだ。このうち、コール数予測を中心にリソース管理に関係する部分を導入することに決めた。「システム画面が分かりやすく、他の損害保険会社への導入実績が多かったこと、そしてクラウド上で構築可能なことが決め手になりました」(佐久間さん)
金融業界“ならでは”の苦戦
その後、2013年の10月から12月にかけてトライアルを行い、新システムの効果を検証。コール数予測が実用的な精度であること、人的リソースが削減できることを確認し、システムの構築を開始した。構築にかかった時間は約3カ月。2014年4月にはシステムを稼働できる状態になったが、ここからお客さまデスクでの運用開始に至るまでさらに3カ月を要した。
「当時、FISC(金融情報システムセンター)でも、金融機関でのクラウド利用についてはガイドラインが固まっていない状況でした。そのため、セキュリティなどの構築や対策に2カ月ほど時間がかかったのです」(コンタクトセンター企画部 企画チーム課長 岩前孝佳さん)
こうして、2014年7月にシステムの運用を開始。リソース管理専任の人員も配置した。3つのコールセンターのうち、まずは東京拠点で教育と運用を始めてノウハウを蓄積し、神戸と札幌に展開するという方法を採用した。
システム担当者とリソース管理の人員とで、隔週で打ち合わせを行い、操作や業務フローなど現場の疑問を解消していった。人員配置システムを導入するのは初めてだったこともあり、「最初は100件ほどの質問があったが、半年ほどかけてほぼなくなりました」(寳寄山さん)という。
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