東京海上日動火災保険は、2009年に導入したNEC製の仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」(約3万台)の更改作業を約6カ月で終えた。NECによれば、半年でこの規模を更改したケースはほとんどない。
今回の更改は、2009年導入時のシステムで仮想PCのOSに採用していたWindows XPから新OSへの移行によるもの。Windows XPは2014年4月にサポートが終了しているが、東京海上日動では約3万台の新OSへの移行でさらに必要となるサーバ増設の費用が課題になっていたという。
NECによると、仮想PC型のシンクライアントシステムでは仮想化基盤に多数の仮想PC環境を集約する。また、仮想化基盤ソフトによって性能面の特性に違いあり、多数の仮想PCでも適切な性能を出せるようにするには、膨大な設計ノウハウが求められる。基盤ソフトだけでなく、仮想PCを管理するソフトによっても操作性がかなり異なるため、異なるソフトを組み合わせたり、従来とは異なるソフトを使ったりすることは難しい。
このためVirtualPCCenterは、仮想化基盤ソフトが異なっても仮想PCを管理できるようにしている。今回の移行では仮想化基盤ソフトに、Windows Server 2012に付属しているHyper-Vを使ってサーバ増設費用などを抑え、約6カ月で移行作業を終えた。
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