東京海上日動、3万台のシンクライアントを2011年度に導入完了へ
東京海上日動火災保険は、情報セキュリティ対策強化やシステムの運用コスト削減などを目的として、約3万台のシンクライアント端末の導入を2011年度上半期に完了させる。
東京海上日動火災保険は、情報セキュリティ対策の強化やシステムの運用コスト削減などを目的に、仮想PC型シンクライアントシステムの構築を開始した。200台規模のシンクライアント端末から運用を始め、2010年より全社展開の本番導入を開始。2011年度上半期には約3万台のシンクライアントPCの全社導入を完了させる見通し。シンクライアントシステムを提供したNECが9月29日に発表した。
導入したのはNECの仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」。これにより、クライアント端末に保存していたデータやソフトウェアを、サーバで集中的に管理、運用できる。人手を介して行っていた端末の管理やモニタリングが不要となり、これらの業務に従事していた社員は本来の業務に集中できる。クライアントPCの環境設定やレイアウト変更、ソフトウェアの管理、セキュリティパッチの適用などに掛かっていた運用コストは約30%減らせると試算している。
仮想PCサーバには「SIGMABLADE Express5800/B120a」、シンクライアントPCには「US110」を採用。1台のPCサーバで50台の仮想PCを管理できる。仮想化PCサーバは、東京海上日動火災保険が有する2カ所のデータセンターに設置し、クライアントPCの業務実行環境やデータを二重化している。
東京海上日動ではセキュリティ対策や内部統制の強化を目指し、クライアントPCの管理ルールを多数規定し、モニタリングを行っていた。営業およびスタッフ部門の担当者が重要なデータの保管や情報の社外持ち出しなどを管理していたが、その作業負荷が課題となっていた。従業員の負担や運用コストを減らせるとして、シンクライアントシステムの導入に踏み切った。
NECによると、3万台のシンクライアントPCの導入は国内最大規模としている。
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