Microsoft、PC不調やNokia関連コスト圧迫で減収、赤字転落
Microsoftの4〜6月期決算は、売上高はPCの不調でWindowsが伸びず、また、Nokia関連のリストラコストが圧迫したことで赤字に転落した。リストラコストなどを除いた非GAAPベースでも減益だった。SurfaceやAzure、Office 365は好調だった。
米Microsoftが7月21日(現地時間)に発表した2015年第4四半期(4月〜6月期)決算は、売上高が前年同期比5%減の221億8000万ドル、純損失は、スマートフォン事業関連のリストラコストを計上したため、132%減の20億530万ドル(1株当たり40セント)だった。非GAAPベースの純利益は3%減の6億3850万ドル(1株当たり62セント)。営業利益は7%減の147億1200万ドル。前期に続き、Windowsやスマートフォンの売り上げが不調で、Nokia関連のコストなどが利益を圧迫した。
売上高と非GAAPベースの純利益はいずれもアナリスト予測(売上高は220億3000万ドル、1株当たりの純利益は56セント)を上回った。
サティア・ナデラCEOは発表文で「Surface、Xbox、Bing、Office 365、Azure、Dynamics CRM Onlineはすべて2桁台で伸びている。Windows 10のリリースはMicrosoftとそのエコシステムにとっての新たな機会を創りだすだろう」と語った。
セグメント別では、Surfaceなどのハードウェアやコンシューマー向け製品の売上高は13%減の87億ドルだった。PC市場の不調の影響で、WindowsのOEM売上高が22%減だった。一方、「Surface 3」が好調で、Surfaceは117%増の8億8800万ドルだった。Xboxの売上高も27%増だった。
スマートフォンの売上高は38%減。Lumiaの販売台数は840万台で、低価格帯の占める割合が増加したため、売上高が減少した。同社は9日、スマートフォン事業で7800人を削減し、改革していくと発表した。
企業向けのOfficeやサーバ製品を扱うコマーシャル部門は、サーバやクラウド関連は比較的好調だったが、Officeの不調で、売上高は7%減の7億8200万ドルだった。
通年の売上高は前年比8%増の935億8000万ドル、純利益は35%減の181億6100万ドル(1株当たり1.48ドル)、非GAAPベースの純利益は1%増の281億7200万ドル(1株当たり2.63ドル)だった。
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