コラボで“攻めのコンテンツ管理”を BoxとIBM、提携拡大の背景(2/2 ページ)
6月にIBMとの提携を発表したBoxが、9月に提携を拡大することを明らかにした。新たにIBMの4サービスと提携することで、企業の“攻めのコンテンツ管理”を支援する。
IBM Content Navigatorは、IBMのコンテンツ管理システム向けのUIフレームワークで、IBM、非IBMの両システムをサポートし、コンテンツの検索やアクセス、共有などに対応する。Boxとの統合により、オンプレミスのコンテンツもBoxクラウドにあるコンテンツも、単一のインタフェースからアクセスできるようになる。
IBM StoredIQは75種類以上のデータソースに対応するデータ管理技術。オンプレミスの既存のECMシステム、SharePointやファイル共有サーバなど、さまざまなところに分散しているソースからBoxクラウドにドキュメントを移行するにあたって、既存のコンテンツを評価、整理して組織化し、必要なものだけをメタデータを使って整理し、構造化された形で移動することが可能になる。
これにより、効率のよいスマートなデータ移行が可能になり、機密情報が適切ではない人に公開されるといったリスクも回避できる。
IBM Case Managerは、コンテンツ、ワークフロー、利用するユーザーという“アプリケーションにとって重要な要素”を、どのように組み合わせるのかを“ケースごとに”管理するもの。これにBoxプラットフォームを統合することで、ワークフローに関与するパートナーなど、外部の参加者とのドキュメントの共有がシームレスになり、さまざまなビジネスプロセスに柔軟に対応できるようになる。
IBM Datacapは、電子メールなどのさまざまな情報の中から価値ある情報を抽出するツールで、統合によりBox内のコンテンツからの情報抽出が可能になる。
IBMの担当者は、こうした両社の統合機能を利用すれば、企業のコンテンツ管理のさまざまな問題が解決すると話す。例えば、「財務モデリング用の機密データが複数のシステムにバラバラに保存されている」という課題を抱える小売企業なら、StoredIQを利用してデータの場所を突き止め、収集、分類、組織化してBoxクラウドに移し、システムを構築し直すことができる。さらにBoxと統合済みのWatson Analyticsを利用して分析することで、財務担当が必要な情報を得られるという。
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