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欧州議会、域内ローミング撤廃と(抜け道の多い)「ネット中立性」法案を承認
EUの立法議会である欧州議会が、EU域内でのローミング撤廃と、「ネット中立性」に関する法案を承認した。ネット中立性については、基本的にはトラフィックの平等を謳っているが、例外を認めており、いわゆる「高速車線」の提供やトラフィックの遮断も可能な抜け道が残された。
欧州連合(EU)の立法議会である欧州議会は10月27日(現地時間)、EUが6月に可決したEU加盟国でのローミング撤廃と、「ネット中立性」に関する法案を承認したと発表した。
これにより、2017年6月から、EU域内ではローミング料金がなくなる。それに先立ち、2016年4月からローミング料金が引き下げられる。
ネット中立性については、基本的にはインターネットのトラフィックをすべて平等に扱うというものになっているが、例外を認めており、通信事業者が場合によって「高速車線(fast lane)」を提供できるようになっている。また、サイバー攻撃対策などの目的によっては、トラフィックの一部の遮断や制限も可能だ。
米国では、2月に採択されたネット中立性のための規則により、米連邦通信委員会(FCC)が通信事業者による利用制限や特別扱いを禁止できるようになっている。
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