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データ分析で変わる、みずほ銀行の“オムニチャネル”戦略基盤刷新でさらに加速(3/3 ページ)

コールセンターでのWatson導入や店舗へのPepper設置など、業界の中でも先進的なIT活用で注目される「みずほ銀行」。同社は増え続けるデータへの対策やオムニチャネル施策の重要性も認識しており、5年以上の歳月をかけてデータ分析基盤の刷新を続けている。

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「One-to-Oneマーケティング」の実現に向けて

 データベースとBI。2つの施策によってデータ分析基盤を整えたことで、1to1マーケティングの実現に向け、分析データを追加するステージへと歩みを進めた。家村さんたちがデータ分析プラットフォームに追加したデータは2つ。元帳のデータとオンラインバンキングなどのWebページの操作履歴だ。

 Webページの操作履歴を分析するため、家村さんたちはIBMのマーケティングオートメーションツール「IBM Silverpop」、そして顧客分析ツール「IBM Digital Analytics」の導入を決めた。Silverpopはサイトへの訪問回数や閲覧ページといった顧客の“振る舞い”をデータとして得るツール、そしてDigital Analyticsは複数のチャネルから得られる行動情報と顧客のストック情報を統合して分析するツールだ。

 「データの量が多いので、とにかく早くファイルを取り込めること、特に非構造化データの分析に対してスピードが早いという点で選びました」(家村さん)

 顧客が興味の持った情報が分かることで、「1人1人の顧客のニーズに合ったメッセージを送ることなどを考えている」と家村さんは話す。このツールは近日リリース予定とのことで、将来的には刻一刻と変化する分析結果に対し、リアルタイムで施策が打てるような環境を整えたいという。

今後は「Hadoop」活用も視野に

 One-to-Oneマーケティングの準備が整ったが、家村さんたちのデータ分析基盤構築は終わったわけではない。現在はHadoopの導入に向けて検証を行っているという。

 「今後、非構造化データを中心とした、大容量ファイルを取り込むニーズが出てきたときに、高いパフォーマンスを発揮できるようにしておかなければなりません。いずれは、集まってくる全てのデータをためこみ、各顧客への知見が詰まった“データレイク”のような存在ができるでしょう」(家村さん)

photo 2016年から2017年度にかけて、Hadoopを導入する予定で、現在はテストをしているところだという
photo データ分析基盤の刷新が完了した段階の構成図。非構造化データを中心とした「データレイク」ができると家村さんは考えている

 Hadoopの導入は「2016年から2017年度の見込み」とのことで、まだ基盤の完成は道半ばといえる。「これまでを振り返ると、とにかく関係者が多く、調整事や地味な作業ばかりでしたね。上層部に向けたROIの説明にも苦労したことを覚えています。こうした基盤の刷新は、誰かが強い思いを持ってやり遂げる姿勢が必要なのだと思います。1つ1つ実績を積み上げること以外の何物でもありません」(家村さん)

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