毎週3分、情シスドリル 【図解】コレ1枚でわかる「BIツール」:即席!3分で分かるITトレンド
経営層と現場部門では、BIツールに求める要件は異なります。求めるデータが異なると分析手法も変わってきます。今回は、それぞれの特徴について解説します。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
BI活用の目的と手段
BI(ビジネスインテリジェンス)」ツールを使用する目的は、経営層と現場部門では、それぞれの立場によって異なります。
経営層の目的は、会社全体の戦略や現場への指示・命令について、データによる裏付けを得ようとすることです。
- 経営戦略や経営計画の立案
- 事業部門への指示と実行
- 月次などで行う経営会議でのモニタリングと問題点の分析の指示
- 問題点の分析と問題点を修正するための意思決定と指示
一方、現場部門の目的は、担当する業務の実態をデータによって迅速、的確に把握することです。
- 全社の戦略に沿った部門別の計画立案
- 部門での業務実行
- 日々のモニタリング
- 問題点の分析と上位部門への報告や修正
そのためには、求めているデータを分かりやすく「見える化」することが必要です。そのために次のような手段が使われます。
レポーティング
- 目的:問題の兆候を発見する
- 手段:集計、推移、比較、内訳、順位、関係、シグナル表示など
- Webリポート(リポートをWebページなどで多数のユーザーに公開)
- ダッシュボード(複数のリポートを単一の画面で表示)
OLAP(online analytical processing)分析
- 目的:問題の要因を検証する
- 手段:多次元データベース、スライシング、ドリルダウン&ドリルアップ、ドリルスルーなど
- 大量の分析元データの処理
- 最新の分析元データの共有
データマイニング
- 目的:対処のヒントを得る
- 手段:クロス分析、相関分析、回帰分析など
- 大量の分析元データの処理
- より高度なマイニングアルゴリズムの利用
プランニング
- 目的:計画の根拠を得る
- 手段:モデリング、シミュレーションなど
- 多くの部署から収集された計画データの統合
さらに、昨今では、人工知能・機械学習の技術を使い、判断そのものを機械に代替させようという取り組みが始まりつつあります。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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