コレ1枚で分かる「2層ERP」:即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)
企業活動のグローバル化に伴って、経営資源もグローバルに統合管理することが求められるようになったいます。その方策として有効なのが「2層ERP」。今回は、「2層ERP」のニーズと導入効果について解説します。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
グローバル展開をERPを活用
企業活動のグローバル化に伴い、経営資源もまたグローバルでの全体最適を求められるようになりました。その対応として、国内外のグループ企業の全拠点に同一のERP(Enterprise Resource Planning)システムを導入することで、データフォーマットを統一し、業務やデータの連係を円滑に行い、業務処理を効率化し、経営状況をリアルタイムで把握できるようにしようというニーズが高まってきました。“全拠点を単一の企業組織のように扱おう”というこの考え方は、グローバルシングルインスタンス(Global Single Instance)と呼ばれています。
しかし、本社とは異なる事業を行っていたり、海外の地元企業との合弁会社であったり、商習慣が異なっていたりする拠点においては、業務フローやデータ構成が本社と異なることは避けられません。このような拠点に同一のシステムを導入すると、現場の業務内容とERPシステムの機能とのギャップを人手による運用で埋めなくてはならず、逆に業務負担が増えてしまうことがあります。
また、本社は大企業であっても、海外の拠点は小規模な組織で運用されていることもあり、本社と同様の大規模なERPシステムでは、コスト的に見合わず、その維持管理に、十分な人材を割くことができない場合があります。
さらに、国によっては、政治情勢や経済状況の変化が日本のようには予測できるものではなく、直ちに事業を統廃合しなければならないといったことも考えられます。そのため、本社と同一の大規模なERPシステムを全拠点に導入することは、大きなリスクを伴うことになります。
このようなリスクを回避し、グローバルでの全体最適をめざす手段として登場したのが、「2層ERP」(Two-tier ERP)という考え方です。
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