Microsoftの「HoloLens」は完全無線でバッテリー持続は約5.5時間──エバンジェリスト語る
Microsoftの“複合現実(MR)”ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」は完全にワイヤレスでBluetoothとWi-Fiで接続し、インターネット経由で他のHoloLensユーザーと同じオブジェクトを共有することも可能だと、Microsoftのテクニカルエバンジェリストがあるイベントで語った。
米Microsoftの「Windows 10」搭載ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「HoloLens」製品版について、同社のテクニカルエバンジェリスト、ブルース・ハリス氏がイスラエルのテルアビブで開催されたイベントで語った。PCなどとの接続は無線で、バッテリー持続時間は約5.5時間という。
このイベントに参加した起業家、ニブ・カルデロン氏がYouTubeにその様子を投稿し(現在は削除されている)、米Petriがそれに基いて報じた。
HoloLensは、Microsoftが2015年1月に発表したAR(拡張現実) HMD。Windows 10を搭載し、装着したユーザーはリアルな環境とバーチャルな3D空間が融合した「複合現実(MR、Mixed Reality)」を楽しめる。
約22分の動画(転載されたもの)でハリス氏は、HoloLensはBluetoothとWi-Fiをサポートし、“完全に無線”であることや、バッテリー持続時間が“一般のノートPCとほぼ同じ”であり、一般的な使用では約5.5時間、パワーを要する使用でも約2.5時間持続することなどを語った。
このバッテリー持続時間を実現するために、視界を「2フィート(約61センチ)先にある15インチディスプレイ」と同程度に設定したという。将来的には改善していく計画。
さらに、HoloLensでインターネットに接続でき、ネット経由で他の複数のHoloLensユーザーと同じオブジェクトを共有できるとも語った。
製造はMicrosoftが行うが、米国内ではなく「台湾など」の工場に委託するという。
製品版の発売時期や価格についてのコメントはなかった。サティア・ナデラCEOは昨年8月に、HoloLensの発売は“来年中”と語った。開発者版は3000ドル(約35万円)だ。
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