Microsoft、Android/iOS向け人工知能キーボードアプリ「SwiftKey」を買収
Microsoftが高度な予測変換機能で人気のAndroid/iOS向けキーボードアプリ「SwiftKey」のメーカーを買収すると発表した。アプリの提供は継続し、Windows Phoneにも技術を統合する。SwiftKeyの人工知能技術も買収目的の1つのようだ。
米Microsoftは2月3日(現地時間)、高度な予測変換機能が人気のAndroid/iOS向けキーボードアプリを手掛ける英SwiftKeyを買収することで合意したと発表した。買収総額は公表されていないが、米Financial Timesによると、約2億5000万ドルという。
SwiftKeyは、ユーザーの利用履歴から学習した予測変換や高度な自動訂正機能が特徴のキーボードアプリ。2010年にAndroid版が、2014年にiOS版がリリースされた。3億台以上の端末にインストールされている。当初は有料だったが、iOS版リリースに合わせて無料になり、オプション機能をアプリ内購入で追加できるようになっていた。日本語のβ版も公開されている。
Android/iOS版は、買収完了後も変わらず提供していく。Microsoftはこれまでも、他社プラットフォーム向けアプリのSunriseやAcompliを買収し、提供を続けてきた。OfficeやOneDriveを含め、同社は「ソフトウェアとサービスをすべてのプラットフォームに提供する」という目標を掲げている。
MicrosoftはWindows Phone向けに自社製入力ツール「Word Flow(ワードフロー)」を提供している。同社はSwiftKeyの技術をWord Flowに統合していく計画。Word Flowについては、近くiOS版をリリースするといううわさもある。
Microsoftは発表文で、SwiftKeyの技術は「インテリジェントクラウドを活用することで生産性を強化するというわれわれの目標を直接的に支援する」ものだとしている。SwiftKeyはユーザーの操作履歴をすべてクラウドに保存しており、人工知能でそれを解析することで予測変換している。同社がこれまでに集めたユーザーデータは、100カ国語にわたる約10兆回のキーストロークという。
SwiftKeyの従業員は、共同創業者のジョン・レイノルド氏とベン・メドロック氏を含めてMicrosoftの研究部門、MicrosoftResearchに編入される見込み。
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