第39回 IT系イベントの裏話 欧米とのギャップから知るおトクな活用術:テクノロジーエバンジェリスト 小川大地の「ここが変だよ!? 日本のITインフラ」(1/2 ページ)
日本ではIT担当者向けに多数のイベントが行われていますが、欧米のそれとはずいぶんと勝手が違うようです。せっかくのチャンスを生かすポイントはどこにあるのでしょうか。
ネットに蔓延るステマとそうでないものを見分けるのは難しい―――だとすると、情報収集の方法は従来と変わらず書籍などのメディアや、セミナー・展示会などのイベントになってきます。残念なことに、私は前者についてここで話題にできるほど事情通ではありません。
ですが、メーカーに在籍していることもあり、後者であれば少しはネタを提供できそうです。私の視点と経験に基づいて、ITインフラ業界のイベントについて考えてみたいと思います。
最近のイベント事情
まずは、このIT業界でどのようなイベントが催されているかまとめてみましょう。
本連載で繰り返し述べているように、ITインフラとは“注文住宅”でありながらも、ハードウェアやOSは既製品(プロダクト)を使います。こういった背景もあり、この業界のイベントやセミナーは、メーカーやその販社・代理店が主催しているものが大半なのですが、今回はそれを除いた“ニュートラル”なイベントだけを挙げてみると、次表のように大別できそうです。
それでは、この表をベースに最近のイベント事情を見てみましょう。
まずは参加費。昨今、特にITインフラ系のイベントについては、参加費は基本的に無料だと思って大丈夫です。たまに、パンフレットには参加費が明記されていることもありますが、事前申込で無償になったり、“本来は数万円”するイベントであっても9割以上が招待券を手にした“招待客”だったりするものです。
表にある番号の順序は、「参加のしやすさ」を私の主観で並べてみたものです。番号が小さいほど、“聴講者”的な立場で参加することになります。事前知識が無くても問題になることはほぼなく気楽に行けますが、概要的な内容が多く、後述のような「質問」をしない限り深い情報は得にくい傾向です。
逆に、番号が大きいほど、立場は聴講者から“参加者”に変わります。事前知識がないと笑いやネタに付いていけませんし、(6)では突然意見を求められたりすることもあります。
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