タカラトミーが世界展開で選んだクラウドの使い方
事業のグローバル展開を目指すタカラトミーは、クラウドをどのように使って社内の業務システム群を新たなものにしようとしているのか。
玩具大手のタカラトミーが、事業のグローバル展開を視野にIT統合基盤の構築を進めている。その第一段階がカットオーバーしたもようで、同社のIT基盤を担当するNECがその取り組みを発表した。
タカラトミーは海外事業の強化を推進している。その動きに対応して各種の情報システム基盤強化する必要があり、同時にオンプレミスで運用していることから、災害時などにおける事業継続性を高めていく必要もあったという。
そこで同社が選択したのは、NECのクラウドサービス「NEC Could IaaS」とハウジングサービスを組み合わせる方法だった。第一段階ではNEC Could IaaSに販売システムを移行して、6台の仮想サーバで運用し、会計や物流、調達・購買、CRMなどの基幹業務システムはオンプレミスからNEC神奈川データセンター内に移し、約100台のサーバで運用する。
この作業に要した期間は約6カ月で、NECによればケースバイケースだが非常に短い期間で対応できたとのこと。販売システムを先行してクラウド化したのは、同システムが更改のタイミングにあったことと、従来のオンプレミス環境では商戦期などシステム負荷が高まる時期への対応のために事前にリソースを増強したり、障害発生後に人手で拡張したりしなければならないといった運用上の課題を抱えていたからだった。
システム基盤の統合化に伴って、運用管理コストを今後5年間で20%削減できる見込みだという。NEC神奈川データセンターは強固な地盤上に建設されていることから、事業継続性も向上するとしている。なお、販売システムとハウジングサービス環境の各種システムはLAN接続され、リアルタイムなデータ連携も実現した。今後は各システムを更改時期に合わせて順次クラウド化していく予定だが、既に多くのシステムがオンプレミス環境からNECのデータセンター環境に移っていることで、クラウド化を進めやすいとみられる。
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