第7回:中小企業を救う融資サービス、FinTechで続々 弱者の味方に:今さら聞けない「FinTech」の基礎知識(1/2 ページ)
決済と並んでFintechサービスが最も賑わいを見せているのが融資の分野。この領域では、金融機関をめぐる環境の大きな転換点となったリーマンショックの反省を糧にしたさまざまなサービスが登場している。
「決済」と並んでFintechサービスが最も賑わいを見せているのが、本連載の第4回でも触れた「融資」の分野だ。この領域では、金融機関をめぐる環境の大きな転換点となったリーマンショックの反省を糧にしたさまざまなサービスが登場している。
サブプライム問題の反省から生まれたサービス
1つは、本来、融資するにはリスクが高い層への融資サービスである。リーマンショックの原因となった「サブプライム」問題は、『本来融資するにはリスクが高い層』に積極的に融資した結果、返済が滞って焦げ付いたことに端を発している。
こうした“リスクが高い層に融資する”という発想を引き継ぎつつ、現在のトレンド技術を応用したのが「ZestFinance」や「LendUp」といったサービスだ。これらのサービスは、従来の融資判断の基となっていたデータ以外のさまざまなデータを駆使し、機械学習を使って「一見リスクが高く見えるが、実は返済が見込める層」向けの融資を行っている。
また、直接融資はしないものの、「Credi Karma」のように、個人のクレジットスコア(返済・借入履歴などで個人の信用度を点数化したもの)が原因で融資を受けられない層に、スコア引き上げのためのアドバイスをする、といった与信判断業務周辺のサービスも広がっている。
中堅中小企業への融資をFinTechでサービス
もう1つは、大企業に比べるとどうしても効率の面で劣りがちな中小企業向け融資だ。この分野は、リーマンショック後の与信縮小や金融機関の経営効率化の流れの中でサービスレベルが低下していたが、さまざまなデータを積極的に活用した非対面の無担保融資サービスが広く利用されるようになっている。
ネットショップの売れ行きやレビューなどから独自の与信審査システムを構築し、無担保でオンライン融資を行う「Kabbage」や、同じく、銀行取引・業種特性などビジネスを多角的に評価する独自の審査モデルで融資を行う「ONDECK」などが、この分野の代表的なサービスだ。
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