今、IBMが注目するIoTスタートアップ企業とは?:VRライブプラットフォームも登場(3/4 ページ)
IBMのスタートアップ支援プログラム「BlueHub」の第2期が終了。IoTなどで事業拡大を目指す5つの企業がサービスの概要を説明した。ヘルスケアやオートバイ、農業などさまざまなアイデアがビジネスになろうとしている。
引きこもり願望が生み出した、VRライブプラットフォーム――「Cluster」
「イベントに行きたい、でも玄関から出るのはめんどくさい!」
そんな“引きこもり願望”が生んだVRライブプラットフォーム、それがFictboxが展開する「Cluster」だ。オンライン上の仮想空間でイベントを行うプラットフォームで、過去に一世を風靡した「セカンドライフ」をほうふつとさせる。PCやスマートフォンのほか、Oculus Riftなどのヘッドマウントディスプレイにも対応しており、同時に1000人接続しても挙動が重くならないのが特徴だ。
仮想空間のイベント会場では、前方の巨大画面で動画やスライドを共有。発表者からオーディエンス全員に対して音声の発信ができる。各参加者は顔アイコン付きのアバターで表示され、参加者同士で吹き出し付きのテキストチャットや共有タイムラインでコミュニケーションが行える。
2016年2月上旬に、200人規模のライトニングトーク大会を行ったところ盛況で、ゲーム会社や映像制作会社、芸能プロダクションからの問い合わせが増えているという。3月21日に開催した第2回のライトニングトーク大会では500人以上が集まり、Oculus Rift創業者のPalmer Luckey氏も参加。4月4、5日に開催されたUnityのカンファレンスイベント「Unite 2016 Tokyo」でも、基調講演をCruster上で中継して360人が集まるなど、着々と実績を増やしている。
現在は主催者や参加者、スポンサードイベントやアバター課金などで収益を得る予定だが、今後は決済機能やイベント会場のカスタマイズ機能、ブースでの物販機能などを実装していきたいという。Fictbox CEOの加藤直人氏は「人が集まるというのは、それだけでビジネスやマネタイズの源泉になる。キャッシュポイントはいろいろ出てくるはず」と自信を見せる。
「イベントを開催するにあたっては、会場選びや場所の確保、会場までの移動など、主催者も参加者もいろいろな“コスト”がある。Clusterはさまざまなコストをゼロにする力を持ち、引きこもりを加速させるツールだと言えるでしょう」(加藤氏)
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