第8回 「Windows 10」が“最後のWindows”ってどういう意味?:変わるWindows、変わる情シス(1/2 ページ)
マイクロソフトの新OS「Windows 10」。もう使ったという人も、まだ試していないという人もいると思うが、あらためてそのポイントを“マイクロソフトの人”に解説してもらおう。第8回はWindows 10で採用された、新たなOSの提供形態「Windows as a Service」について。
こんにちは。日本マイクロソフトで「Windows 10」の技術営業を担当している山本築です。Windows 10が登場してから約8カ月がたちました。開発者向けカンファレンスの「Build 2016」で発表があったように(参照リンク)、今や2億7000万台以上のWindows 10デバイスが世界中で動いています。
これは、Windows 7登場時の普及率と比べて2倍以上のスピードであり、これまでのWindowsで最も好調なスタートです。それを支えている要因の一つに、OSのサービス化――「Windows as a Service」という新しい概念があるのです。今回はこの概念を詳しく紹介していきます。
OSのサービス化とは、端的に言うと「(基本的に)購入後は無償で追加の機能が提供される」こと。連載の1回目でも紹介しましたが、ワークスタイル変革、セキュリティ対策といった、世の中のトレンドや脅威にすぐ対応できるよう、OSの提供形態を大きく変えたわけです。
これまでは新しい機能を開発しても、世の中に出るのは次のバージョンがリリースされる3年後でしたが、Windows 10は1年に2〜3回というペースでアップグレードを行い、新機能を提供することで、利用者のニーズに迅速に応えられるようになります。
その代わりにWindowsの数字(バージョン)が変わるメジャーアップデートはなくなる――これがWindows 10が「最後のWindows」「最後のメジャーバージョンアップ」などといわれている理由です。
「Windows 10」から変わった開発スキーム
素早いアップグレードを実現するため、従来のWindowsとWindows 10では開発手法が変わっています。それが「Windows Insider Program」です。これは、開発者にOSのプレビュー版(Insider Preview)を使ってもらい、そのフィードバックをマイクロソフトの開発チームに送れるというもので、今は4月6日にBlogで公開された「Build 14316」を提供しています。
よりユーザーに近い立場の人を開発に巻き込むことで、ユーザーの声を生かした改善をリアルタイムで反映していく――。これがWindows Insider Programの目的です。この記事を読んでいる皆さんにもInsiderに登録していただき、改善すべきポイントのフィードバックに協力いただければ幸いです。一緒に新たなOS「Windows 10」を作っていきましょう。Windows Insiderへの参加方法はこちらをご覧ください。
Windows 10で提供される3つのサービシングモデル
さて、このInsiderでのフィードバックを経て、晴れて新バージョンが世に出るわけですが、ユーザーによって新バージョンの適用方法は異なります。
前述したWindows Insiderのほかに3つの形態があり、個人ユーザー向けの最新版「Current Branch」、企業向けモデルの「Current Branch for Business」、そして固定化モデルの「Long Term Servicing Branch」となっています。では、それぞれの特徴を説明していきましょう。
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