Apple、元Google X→Nestの松岡陽子氏をヘルスケア幹部として採用
Appleが、「Google X」の立ち上げメンバーでNestのCTOを務めた松岡陽子氏を「HealthKit」や「CareKit」などのヘルスケアプロジェクトの幹部として迎えた。
米Appleが、米Googleの「Google X」の立ち上げにかかわり、Alphabet(Googleの親会社)傘下のNestの幹部も務めたロボット工学専門家、松岡陽子(ヨーキー・マツオカ)氏(44)をヘルスケア部門の幹部に採用したと、米Fortuneが5月3日(現地時間)、Appleに確認したとして報じた。
松岡氏はジェフ・ウィリアムスCOO(最高執行責任者)直属となり、「HealthKit」「ResearchKit」「CareKit」などのヘルスケアプロジェクトに取り組む。
松岡氏のLinkedInも、既にAppleに所属していることになっている(肩書は不明)。
松岡氏は1972年日本生まれで、16歳でプロテニスプレーヤーを目指して渡米したが、けがで断念し、「一緒にテニスをしてくれるロボットを作りたい」とカリフォルニア大学バークリー校で電気工学とコンピュータ科学を学び、マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学とコンピュータ科学の博士号を取得した。その後しばらくはカーネギーメロン大学とワシントン大学でロボティクスの教授を務めた。
2009年にGoogle Xの立ち上げメンバーとなったが、翌年にカーネギーメロン大学時代の教え子であるマット・ロジャーズ氏が共同創業者であるNestのCTO(最高技術責任者)に就任。2014年にNestがGoogleに買収された際にNestを離れた。
同氏は2015年5月9日付のMediumで、米Twitterに迎えられることになっていたが、瀕死(ひんし)の重病から一命を取り留めた経験で「ゼロからスタートするチャンスを与えられた」と感じてTwitterでの幹部の席を辞退し、「次に何をするかはまだ決めていないが、(中略)テクノロジーの世界から離れることは考えられない。また働きたい」と語っていた。
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