LINEで遅刻を連絡する新人、これはアリ? ナシ?:【新連載】女子ヘルプデスク今昔物語 第1話(2/2 ページ)
今年もウチの会社に新入社員がやってきた。LINEで遅刻の連絡するなんて時代が変わったわね――なんて思っていたら、彼らの研修で登壇することになってしまったのだった……。一体ヘルプデスクに何をやれっていうの?
Aさん: 今日の午後の会議、出席できるように調整できる? 2016年度の新入社員研修プロジェクト発足のためのキックオフミーティングなんだけど。
Aさん、ずいぶんと急に振りますね……。このパターン、嫌な予感しかしないんですけど?前にも似たようなことがあって、随分と苦労させられたような気がするんですが……。
Aさん: まぁまぁ。ところで。
わたし: 軽く流しますね……。
Aさん: そうか? ところで、来年度から新入社員研修が内製化されることになってね。そのためのプロジェクトが発足したんだ。
わたし: 内製化ですか。経費削減の関係ですか?
Aさん: それもあるけど、ノウハウを社内でためようということが中心かな。「適切に伝える」技術は、ヘルプデスクにとって重要だからね。
わたし: 今、さりげなくとっても気になる言葉が出てきたような気がするんですが……。
Aさん: 困っている人の困っている部分を適切に聞き出し、適切に伝える、というスキルは、ヘルプデスク業務にとって必要不可欠だからね。そのスキルを高めるべく、人事課、研修課と手分けして、われわれヘルプデスク業務の人間も講師として……。
わたし: 何ですって?
Aさん: 経験、あるだろ? 前の上司から聞いてるよ。
わたし: ……。
Aさん: まあ、ビジネスマナーは研修課がやるみたいだし、そんなに負担はかからないと思うよ。
わたし: ……。
Aさん: 情報セキュリティ以外にPCの使い方とか、コミュニケーションとか。
わたし: コミュニケーション!?
Aさん: われわれは、そこを期待されているからね。
Aさんよ。引用までしていて、6年前の記事を読んでいないのか……あのとき私は、何もかも真っ白に燃え尽きて、たたずむしかなかったのよ。それとも、そこをあえて無視しているのか?
でも、Aさんが言い出したら何を言っても無駄だということも知っている。Aさんのデスクの前で私は、お地蔵様のようにカチコチに固まってしまった。あの時の悪夢が再び……想像するだけで、頭がガンガン、目はぐるぐる、なんだかヨレヨレな状態になっていた。昨日のお酒が今ごろでてきたか? きっと二日酔いってこんな感じに違いない。いや、二日酔いできっと夢を見ているに違いない。
現実はそう甘くはなかった。夢でも何でもなく、本当に講師の1人として抜てきされたのだ。午後からの会議、何が話し合われたのか覚えちゃいない(ぉぃ)。
そして私はめでたくも(?)今年の新入社員研修でいろいろと登壇する羽目になった。古今東西、今昔物語編の始まり始まり……。
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