Windows 10のEdgeブラウザ、Anniversary Updateでどう変わる?:Enterprise IT Kaleidoscope(2/3 ページ)
Windows 10の標準ブラウザとなる「Edge」は、当初こそ荒削りだったが、Anniversary Updateで大きな進化を見せるようだ。その姿とまだ不十分なところとは?
HTMLエンジンもEdgeHTML 14に機能アップ
Win10 AnniversaryのEdgeは、HTMLエンジンもEdgeHTML 14に機能アップされている。EdgeHTML 14では、W3Cの「Web Speech Synthesis Markup Language」という音声合成APIがサポートされた。これにより、JavaScriptなどを使って音声合成をブラウザ上で行える。だたし音声合成エンジンは、Windows 10のベースに入っている「Microsoft Ayumi/Haruka/Ichiro Mobile」などを使用する。Cortanaなどで使用されている音声合成エンジンとは異なるため、このあたりは将来的に、Cortanaの機能がOSカーネルに入ってくれば、Edgeでも利用できるかもしれない。
さらに、W3C規格に準拠したウェブ通知機能(Web Notifications)もサポートされている。これを使えば、Webサイトからの通知をWindows 10のアクションセンターに表示できる。
また、WebブラウザのFetch(フェッチ)処理を行うFetch APIのサポート(Service Workerコンポーネントの一部を先取りして搭載)、Beacon API、WOFF 2.0、High Resolution Time Level 2などもサポートされる。特にWOFF(Web Open Font Format) 2.0は、Webサイト側からWebページでの表示にマッチしたフォントデータをダウンロードして表示するため、きれいな文字表示が要求される日本語サイトなどでは便利な機能だろう。
JavaScriptに関しては、パフォーマンスの向上を目指して、JavaScriptエンジンのChakraの性能アップ(Microsoftはベンチマークで常にトップを獲得できるように改良していくと明言)を図っている。JavaScriptの標準化規格のECMA Script2015のサポートやES2016の一部搭載などを行っている。
これ以外に、ChromeやFirefoxとの互換性を高めるために、動画コンテナフォーマットのWebM、動画コーデックのVP9、音声コーデックのOpusをサポートした。逆にレガシーサポートとしては、Edge内部のAdobe Flashを別プロセスにしてセキュリティ性を高めている。将来的には、Adobe Flash自体がサポートされなくなるだろう。
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