「報告書、スマホで書いてもいいですか?」:女子ヘルプデスク今昔物語 第3話(1/3 ページ)
いよいよわたしが担当する新入社員研修が始まった。担当するのはMicrosoft Wordの使い方。新人もみんな使ったことがあるっていうし、楽勝楽勝……と思っていたのだけど、現実はそう甘くはなかったのだった。
いよいよ新入社員研修が始まった。
研修の冒頭、4月の初旬には研修課がビジネスマナーを担当した。いわゆる、あいさつの仕方や名刺交換のやり方、電話応対の仕方などだ。このあたりも昨年までは外部委託していたのに……研修課、すごいなぁ。
そういえば、社内のヘルプデスクなんてやってると、「お客さま向けの改まった電話応対」とか「お客さま先に行った時の名刺交換」とか、本当にやらないなぁ。かなり前に一度、取材で名刺交換をして以来だわ。ここはひとつ、研修室の様子を見に行こうかしら。
……やめておこう。なんだか、どうにもいまひとつ気分が乗らないのよね。やっぱり、緊張しているのかしら。なんだか気後れしていたのと、その日はヘルプデスク業務が忙しくて(言い訳?)、結局研修室には近づきもしなかった。
それが裏目に出たのか、私が登壇する日の朝は緊張マックス状態だった。うーん、もっとちゃんと「リハーサル」すべきだったかも。反省……しても、もう後のまつり。
わたし: まあ、PCの基本操作はできるわけだし、いつも通りやればいいのよ……
強気だったはずのセリフにも力がない。
A子: 今日からだねー。
A子から声をかけられて「ありがとぉー」と返事をしたものの、その笑顔は引きつっていた。A子もきっと気付いたに違いない。しかし、時間は待ってはくれない。気を取り直して、行きますか。
Wordのカリキュラムがスタート……したはずが
私が担当した初日のカリキュラムは、Microsoft Wordだ。軽く自己紹介を済ませたあと、「Wordを使ったことあるかな?」と新入社員に質問したところ、全員がうなずいていた。おお良かった、これなら楽できそうだわ。
わたし: では早速、Wordを起動してください。
私は何も考えずにそう指示した。いや、何も考える必要がないところでしょう、ここは。ところが……その指示に「え?」という反応をする新入社員が5人ほど。きょろきょろ、周りを見回している人、完全に固まっちゃっている人、隣の人に「ねぇどうするの?」と聞いている人……なんで? 君たちさっき「Wordを使ったことがある」って手を挙げてたよねぇ。あれはウソだったの?
わたし: どうしたの? 起動の方法が分からないの?
関連記事
- 第2話:今年の新人は「Windows 95」とほぼ同い年!
突然、新人研修で登壇することになってしまったわたし。どこから準備を始めよう……と悩んでいたら、何とも悲しい(?)事実に気付いてしまったのだった。 - 第1話:LINEで遅刻を連絡する新人、これはアリ? ナシ?
今年もウチの会社に新入社員がやってきた。LINEで遅刻の連絡するなんて時代が変わったわね――なんて思っていたら、彼らの研修で登壇することになってしまったのだった……。一体ヘルプデスクに何をやれっていうの? - “標準化”って、ムズかしい。
同じWordのファイルを扱うにしても、Tabの使い方を知ってる人とそうでない人では、使いこなしに大きな差がでる。でも使用機能を標準化しようとすると、基準についてのトレーニングも必要になるし……。ああ、悩ましい。 - 食らうど、もといクラウド化するとヘルプデスクも変わる?
会社のITが「クラウド」になると、わたしたちヘルプデスクの仕事のスタイルも変わるのかな? そんなギモンをぶつけてみるため、クラウドサービスの現役ヘルプデスク担当者に話を聞いてみました! - ITギョーカイに付きまとう「コトバ」の問題
わたしが働くITギョーカイの言葉は、なんて分かりにくいんだろう。というより、なんて「日本語じゃない」んだろう。まあ、モトが英語だから、当たり前といえば当たり前なんだけど……。 - 連載:女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.