「報告書、スマホで書いてもいいですか?」:女子ヘルプデスク今昔物語 第3話(3/3 ページ)
いよいよわたしが担当する新入社員研修が始まった。担当するのはMicrosoft Wordの使い方。新人もみんな使ったことがあるっていうし、楽勝楽勝……と思っていたのだけど、現実はそう甘くはなかったのだった。
報告書、スマホで書いてもいいですか?
結局、教えるつもりのないことを教えたほうが多かったような気がするが、初日は無事に終了した。最後に「明日までに報告書をメールで送っておいてね」と言い残して、教室(という名の会議室)を後にした。報告書の送り方は、研修課が伝えてくれているはずだ。
はぁ、やれやれ。前回ほど真っ白に燃え尽きずに済んだだけでも、成長したのかな。最後にメールのチェックだけして帰ろう。
……ん? 新入社員から質問のメールが来ている。これは感心感心。なになに……うーん、改行が少なくて、やたら読みづらいメールだなぁ。しかも、やたら長いし。メールの書き方って、まだ教えてないのかな? あれ?
「○Phoneから送信」???
なんで署名を変更してないんだ……じゃない。○Phoneから送った? この長文メールを?一体何文字あるんだ……思わずWordにコピー&ペーストして、文字数を数える私。
これ2000字を超えてるよ……スマホで? タッチか、フリックか……研修が終了して、まだ30分程度しかたってないけど、2000文字!? 原稿用紙5枚分!?
スマートフォンで、この短時間に2000文字を超える入力。その早さと文字数の多さに圧倒され、中身が頭に入らない。ここで「今どきの新入社員は」なんて言葉を使ったら、逆にトシヨリ扱いされるのがオチなんだろうなぁ。それにしてもスマホ入力、おそるべし。
そして私は、最後の質問に再び固まるのであった。
「これから報告書、スマホで書いてもいいですか? 帰りの電車の中で書いたら、時間の節約にもなるし、早く帰れると思うんです」
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