チャット文化の新入社員、ビジネスメールに異常アリ!?:女子ヘルプデスク今昔物語 第4話(1/3 ページ)
初日の研修を終えてヘトヘトになっているわたし。しかし、それに追い打ちをかけるように支離滅裂な日報メールがどっさり。研修課も問題視しているようだけど、最近のIT事情を考えれば“さもありなん”という感じでもあり……?
やっと初日の研修が終わった。やはり慣れないことをすると、いつもよりどっと疲れるなぁ。受講者からの日報メールをチェックすると、その疲れはますます増えていく。
なんというか……支離滅裂なのだ。研修内容に関する質問から始まって、いつの間にか今日の感想に話が変わり、揚げ句の果てには同僚とどういう会話をしたかという雑談まで混じっている。もちろん、そうではないメールもたくさんあるのだけど。
きっと思い付いたことをそのまま書いたんだろうな……。メールの対応に四苦八苦していた私に、同僚A子が話しかけてきた。
A子: どうしたの?
わたし: これ、どう答えようかと思って。
A子: なになに……。あー。これは長いメールだね。何言いたいかよく分からないけどさ、この最後の一文はすごい。「報告書、スマホで書いてもいいですか? 帰りの電車の中で書いたら、時間の節約にもなるし、早く帰れると思うんです」って。ナイスアイデアだわ。こういうアイデアを出せる力っていいなぁ。ねぇねぇ、私もスマホで報告書送りたい〜。そんなシステム作ってよ。
A子よ。それ私に頼む内容じゃないわよ。しかも本当にそういうシステムを作っちゃったら、遠回しに「通勤時間や自宅でも仕事しろ」って言ってるようなものじゃない。コンプライアンス的にもどうかと思うぞ。
とはいえ、確かにこういうアイデアを思い付いて、それを研修初日から講師にぶつける力があるのはいいよね。もちろん、情報セキュリティ的な視点やコンプライアンス的な視点はこれから勉強してもらうとして、こういう自由な発想は大切にしてほしいし、私も見習いたい部分はある。
と私が考えている間、A子は自分が放置されていることに気付かず、スマホで報告書を書けたらどんなにいいかを一人語っていた。うーん。A子のバイタリティもある意味見習いたいわ。このメール、研修課と情報共有していおいた方がいいかしら。
Aさん: 研修課が打ち合わせしたいらしいんだけど、時間大丈夫かな?
わたし: あ、はい。ちょうどご相談したいこともあったので、よかったです。
出たっ。いつも突然登場するAさん。Aさんの突然の登場とフリには、いまだに慣れない。それにしても、A子とAさんってなんかややこしい。イニシャルだからしょうがないけどさ……。
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