Windows 10 Anniversary Updateが公開、企業はすぐ導入すべきか?:Enterprise IT Kaleidoscope(3/3 ページ)
Windows 10の公開1周年となる「Anniversary Update」の提供が始まった。企業ではAnniversaryの導入をどう考えるべきだろうか。
Windows 10に移行していない企業
現時点でWindows 10に移行していない企業は、まずWindows 10への移行スケジュールを考える必要がある。多くの日本企業では、既存のPCのOSをWindows 10にアップグレードすることはほとんどなく、多くの場合は新規PCへの買い換え時にOSを変更している。
注意すべきは、一般ユーザーと同じようにメーカーからPCを購入する場合(中小企業で少量台数を購入する時など)だ。プリインストールされているOSが、Anniversary(2016年8月公開)なのか、November Update(2015年11月公開)なのかを把握しておく必要がある。
トラブルを未然に防ぐことを考えれば、Anniversaryがリリースされた直後に発売される、AnniversaryをプリインストールしたPCの購入はお勧めできない。ただ、社内テスト環境に限定したり、業務アプリケーションなどでトラブルが起こることを織り込み済みだったりしているなら、あり得るかもしれない。それでも企業としては、できればCBモデルの4カ月が過ぎるのを待ち、さまざまなトラブルが修正された後にAnniversaryをプリインストールした新規PCを購入する方がいいだろう。
Windows 10に移行していない企業にとっては、まず移行自体が大きな作業となるので、移行先のWindows 10のバージョンなどは気にしていないことが多い。今後は新規購入するPCにプリインストールされているWindows 10のバージョンを気にかけていく必要がある。また新規PCの導入は、できればCBモデルの終盤(4カ月後のあたり)以降に購入スケジュールを立てる方が安心だ。
Windows 10になり、OSアップグレードの考え方は大きく変わっている。今後はこういった考え方を踏まえ、自社のIT設備のアップグレードスケジュールを考えていかないといけない。
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