時候のあいさつ、「拝啓 ○○の候」って必要?:女子ヘルプデスク今昔物語 第9話(2/3 ページ)
今回はビジネス文書の研修。時候のあいさつや敬語の復習をするのだけど、新入社員からは“ムダな一文”に見えた模様。うーん、これは説明が難しい……。
「拝啓 ○○の候」って、別にいらないですよね?
そして、「文書作成講座」当日。
わたし: テキストに印が付いているところが、社内文書と社外文書の違うところです。上から順番に見てみましょう。
なーんて、ほらほら、ちょっと講師らしいでしょ。ふふふ。そういや昔“できるオンナ”にこだわっていたけれど、まさにそれっぽくっていいじゃない――と油断していたら、新入社員から質問が飛んできた。
新入社員: えーと、分かりやすく伝わりやすく書く必要がある、とさっき教わりましたけど、だったら、この書式の前文とか入れないで、伝えるべき話をいきなり書いたほうが簡潔で分かりやすくないですか?
うーん、確かに社外文書に出てくる「拝啓 ○○の候、貴社ますますご繁栄のことと……」みたいな決まり文句、もとい、時候のあいさつと安否の気遣いと感謝の気持ちを書く部分って、結局は似たり寄ったりだものね。省略したくなる気持ちも分かる。それに、いろいろなコミュニケーションツールが使われるようになってきて、あいさつはそのうち無くなるんじゃないかって飲み会で話が出たこともある。
でも、服を買いに行ったときに、店員さんから「いらっしゃいませ」も言われずに「この色なんかお似合いですよ」って話しかけられるとうろたえるだろうし、友達に会ったときに「おはよう」と言われずに「ねぇねぇ、昨日のテレビ見た?」とか唐突に話しかけられたらびっくりするだろうなぁ。やっぱり、定型のあいさつって必要だと思うのよね。古いかな?
わたし: 私もね、書かなきゃダメ? って思って調べてみたことがあるの。そしたらね、ビジネス文書は、かしこまったシーンで使われることが多いから、時候のあいさつから入ることでよしとする慣習らしいの。私たちの会社で『面倒だし、ない方が伝わりやすい』と思ってあいさつ文を勝手に省略しちゃったら、それを知らない相手の会社はどう思うかな?
と説明。まあ、まだコミュニケーション研修をしていないから、相手のことを思えってのも難しい問題だったかしら。
わたし: それに、ひな型が決まっていることで、どこに何が書いてあるか分かるから、読みたいところから読めるのがポイントだそうよ。偉い人ほど、ゆっくり文書を読んでいる時間がないからね。
新入社員: では、社内文書はどうですか?
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