クラウド型医療システムでBCP対応 特定医療法人ダイワ会が導入へ
特定医療法人ダイワ会がクラウド型電子カルテシステムの運用を開始。課題となっていたシステムの冗長化やBCP対応を解決し、24時間救急指定病院としての医療の継続性を確保した。
富士通マーケティングは9月15日、特定医療法人ダイワ会が、クラウド型電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE Cloud Chart」の運用を開始したことを発表した。
ダイワ会は、大阪府の大和中央病院(大阪市)と大和病院(吹田市)を中核に、内科・外科・整形外科を中心に地域に密着した医療事業を展開している。1980年に大和病院で「医事会計システム」を導入し、2001年に処方や検査など診察における依頼(オーダー)を院内の該当部門に伝達する「オーダリングシステム」に拡張。2008年には同法人の病院間を専用回線で接続して情報共有の仕組みを構築するなど、早期からICTを活用してきた。
その中で、システムやデータ管理の冗長化など、安全性やBCP(事業継続計画)対応について課題を抱えていた。また、同法人の病院間での情報共有においても、従来のシステムでは医療情報入力の際に病院名を選択指定する必要があり、誤入力が生じると情報が混乱するなど恐れがあり、情報の精度の面で課題があった。
そこでダイワ会は、次期システムの導入を検討。クラウドによる情報管理の安全性・確実性、システムの操作性、データ移行の技術面での評価に加え、医療機関のICTシステム構築で実績があったことから、「HOPE Cloud Chart」の採用を決め、2015年10月に運用を開始した。
HOPE Cloud Chartは、患者情報を院内のサーバではなく富士通のデータセンターで管理し、ICTと病院業務の双方に通じた専門家がシステムの運用監視と保守を一貫してサポートする。これにより、高い安全性を確保し、システムやデータ管理の冗長化の課題を解決し、24時間救急指定病院としての医療の継続性を確保できる環境とBCPの対応を実現したという。
また、従来システムで課題となっていた病院間での情報共有については、HOPE Cloud Chartで複数の医療機関を管理できるため、病院名を選択指定が不要になり、情報の精度が向上。システムに登録した情報は、経営分析ツールや帳票などの見える化機能により活用が容易になったという。
さらに、HOPE Cloud Chartでは、日常のシステム運用管理作業や医療改正時の対応プログラムの適応などを富士通のデータセンターが実施するため、院内のシステム管理者の負荷と運用コストが軽減。サーバや病院間の専用回線が不要になるなど、導入コスト削減も実現したとしている。
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